龍山時代のシンボル「囲み取材」
韓国でユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が誕生して以後、内政や外交、南北関係で新たな動きが始まっています。最新の状況を交え、まとめてみました。(シリーズ2/8)
◇日常の風景に
ユン大統領は70年余りの青瓦台時代に終止符を打ち、龍山執務室は今や、名実ともに国政の中心になった。
こうして開幕した龍山時代のシンボルは「囲み取材」だ。
「囲み取材」は「略式記者会見」という意味で使うが、大統領ら特定人物の出勤途中に取材陣との質疑応答を意味する。むやみに家の前で待って質問するのとは異なる方式だ。
歴代どの政権にもなかった「囲み取材」だが、ユン大統領にとって日常になった。
ユン大統領は外部日程から1日を始める日以外は、出勤途中に必ず「囲み取材」を受ける。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のための歴訪中もスペイン現地で「囲み取材」に応じた。
就任後、「囲み取材」を続けている間、各種の「説話」にも包まれたが、ユン大統領は止まらなかった。
大統領室は答弁を減らすものの、大統領が冒頭発言をする方式に変えた。作り上げられていない発言を減らし、大統領が引っ張っていこうとするアジェンダを提示するためだ。このように「囲み取材」は進化中だ。
ユン大統領は就任100日の記者会見で記者から「(囲み取材を)続けるのか」という質問を受けると、「結論から言えば続ける」ときっぱり答えた。
そのうえで「囲み取材のせいで支持率が落ちると心配する方々がいたが、(囲み取材が)私が龍山に移転した最も重要な理由だ。コミュニケーションを取って批判を受ける新しい大統領文化を作り出すプロセスであるため、不十分なことがあっても(囲み取材が)続く過程で、国民が理解し、不十分な点は改善されていくと思う」と説明した。
◇大統領室の規模縮小
ユン大統領は「帝王的」大統領から脱皮するため、空間の変化のほかにも「システム」も変えている。
就任当時から大統領室の規模を縮小した。
しかし、初期の国政に多くの人材が必要になり、当初300人台で始まった大統領室の規模が就任100日ごろには400人をはるかに超えた。当時、ユン政権の核心関係者ラインに乗ってきた人材もかなりいたという。
大統領室は秋夕(チュソク)連休を大統領室の1次刷新を基点に人的刷新を断行し、秘書官級と行政官級を入れ替え、当初、目標だった300人台前半に合わせた。
ユン大統領はまた、最近、責任大臣制に本格的に乗り出している。
「大臣だけが見えて大統領は見えないという話が出ても良い」という。「スター大臣」の誕生を促す一方、最近は教育相の人選を終え、大臣の人事権がより拡大するようになった。
(つづく)
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