2024 年 10月 16日 (水)
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[KWレポート] 韓国コンビニ再発見 (1) 流通プラットフォームに「進化」

(c)news1

韓国は「コンビニ5万店時代」を迎えた。コンビニはインフレの「反発」とも言える需要をとらえて成長。食料品から生活用品まで品揃えを充実させ、オンライン・オフラインともに対応できる「流通プラットフォーム」へと進化している。飽和状態と言われる市場で、成長ストーリーを描くコンビニ産業にじっくり目を向けたい。

◇高いアクセス性と利便性

高金利・ドル高で消費と景気が鈍化する中、コンビニ業界は好況で、10%近い成長率を見せている。

CU、GS25、セブンイレブン(ミニストップ含む)、イーマート24のコンビニ4社の店舗数は、2021年末時点で約5万700店となった。2022年に入っても各業者がそれぞれ400~800店増加。主要コンビニ3社の売り上げが、大型マート3社の売り上げを上回った。流通業界の辺境だったコンビニが中核に浮上したと言える。

韓国産業通商資源省が集計した主要流通会社の売り上げ現況によると、コンビニの売り上げは2021年、流通会社全体の売り上げのうち15.9%を占め、大型マート(15.7%)を上回った。2010年代初め、コンビニ店舗が2万店を超え、市場飽和も指摘されたが、そんな懸念を吹き飛ばした形だ。

流通に関する専門家は、1人世帯増加など人口、世帯特性の変化で消費形態が変わり、アクセス性と利便性が高いコンビニ業態が構造的に成長していると分析する。

流通業態の中で最も多い店舗数を強みに、無人売り場、「O4O」(オンライン・オフライン結合)などリテールテックを先んじて導入した。金融、宅配、医薬品販売まで生活プラットフォームとしての役割を果たし、日常の流通チャンネルに進化したということだ。

◇「コンビニにします」自営業者が殺到

コンビニ産業の成長で、スーパーマーケットや専門小売店からコンビニに転換する事例も増えている。昨年から今年にかけ、コンビニ店舗は2500~3000カ所ほど増加するとの予想も出ている。

近年の不況で外食価格が急激に上昇しているが、それに代わる需要は、スーパーマーケットではなくコンビニが吸収するという予想が強まっている。外食価格の引き上げで、簡便食(インスタント・レトルトなどの簡単な調理で食べられる食品)、即席食の販売が増えているためだ。

一例としてCUの場合、昨年第3四半期(7~9月)の即席食品とHMR(家庭簡便食)の売り上げは、それぞれ前年同期比19%、18%成長した。

未来アセット証券のキム・ミョンジュ研究員は「景気回復の遅れで自営業者のコンビニ転換や開店需要は続くだろう。客数増加と外食価格の上昇の影響を受け、コンビニは安定的な成長が続くだろう」と見通す。

単身世帯が増加し、MZ世代の消費トレンドに最も早く歩調を合わせて変化しているという点もコンビニの人気要因だ。PB(独自ブランド)商品など、差別化した商品が人気を集め、集客に効果を発揮している。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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