2024 年 6月 23日 (日)
ホーム特集KW レポート 韓国の20代女と男、それぞれの事情 (2)

[KWレポート] 韓国の20代女と男、それぞれの事情 (2)

文在寅政権の5年間の成績表

2月10日、大統領府で開かれた会合であいさつするムン・ジェイン(文在寅)大統領©news1

「火星から来た男、金星から来た女」。かつてのベストセラーのタイトルが示す通り、男女の立場は同じではありません。一方で、票集めのためにジェンダー摩擦をあおる大統領選挙を美しいとは思えません。就職活動で、互いに差別の被害者だと主張しあう「イデニョ」(20代女性)や「イデナム」(20代男性)らの考えを聞いてみました。(シリーズ2/4)

◇「公共部門の天井を破ろう」

韓国でムン・ジェイン(文在寅)政権発足後、公共部門で女性の昇進を阻む「ガラスの天井」は徐々に緩和されてきた。政府レベルでの強い意志の下、公務員や公共企業体、教員、軍人、警察など、公共部門での女性比率の拡大を重点的に推進しているからだ。

2020年には中央省庁・地方自治体の課長級で、女性の割合は5人に1人以上となった。2017年に中央省庁と地方自治体で女性の割合が15%に及ばなかったことと比較すると、目に見える成果だ。

政府は「100大国政課題」の一つである「実質的な男女平等社会の実現」の中核課題として「公共部門の女性の代表性向上5カ年計画」を17年11月に打ち出した。ムン大統領は、18年1月の閣議で、高級公務員は10%、公共企業体役員は20%まで、女性の割合を積極的に拡大するよう指示した。

◇中央省庁、地方自治体の課長級5人に1人以上が女性

関係省庁によると、政府は2019年と20年に、計12の分野で立てた女性参加率目標を全て達成した。12分野とは▽高級公務員▽本部課長級(4級以上)▽地方課長級(5級以上)▽公共企業体役員▽公共企業体管理者▽地方公企業管理者▽国立大教授▽校長・教頭▽軍人幹部▽一般警察▽海洋警察▽政府委員会――だ。

2020年に地方職の課長級で女性の割合が初めて20%を超え、20.8%となった。当初目標としていた18.6%超を達成した。中央省庁の本部・課長級では22.8%、公共企業体の役員では22.1%だ。同部門の女性の割合は、19年にすでに20%を超えている。

昨年も、上半期にすでに12分野のうち8分野で年内目標を早期達成した。昨年の数値はまだ全て集計されなかったが、残りの分野も年内の目標達成が可能な見通しだ。

女性家族省の「公共部門の女性代表性向上計画2021年度上半期履行点検結果」によると、地方職課長級で女性の割合は昨年6月末基準で22.7%、地方公企業の管理者は27.1%だった。これは翌年の目標値を上回る水準だ。

今年の目標は▽高級公務員10%▽中央部処(省庁)本部課長級25%▽地方課長級22.5%▽公共企業体役員23%▽公共企業体管理者28%▽地方公企業管理者11%▽国立大教授19.1%▽校長・教頭45%▽軍人幹部8.8%▽一般警察15%(管理職7%)▽海洋警察14.4%(管理職2.9%)などだ。

本部課長級(4級以上)23.3%、公共企業体役員22.4%、国立大教授18.4%、校長・教頭45.8%、政府委員会42.4%などは上半期に既に年内目標を達成した。

◇「女性の代表性↑」キーを握る文政権履行力点検「几帳面」

女性の代表性向上が順調に進んでいる背景には、政府の強力な意志がある。課題履行力を確保するため、毎年推進計画を立てる一方、半期別に履行状況を点検している。

国家職の場合、「女性高級公務員任用タスクフォース」の構成・運営を通じて女性高位職の任用を拡大し、評価指標の配点を上方修正した。地方職は「地方自治体合同評価指標」を活用し、市・道別の「5級以上管理職女性公務員任用目標達成率」を評価した。

公共企業体と地方公営企業の場合、各機関別に5カ年役員任命目標と履行計画を立て、公共企業体「養成平等役員任命目標制」の実効性を高め、地方公営企業は20年実績に対する経営評価を実施し、優秀機関を表彰するなど、女性管理者拡大のための政策を強化した。

女性家族省関係者は「女性の代表性向上と両性平等組織文化造成は、平等な組織と社会を作るための核心課題だ。公共部門のリーダーシップと成果が民間部門にまで拡大されるよう、各機関と積極的に協力していく計画だ」と述べた。

◇大統領が誰になっても……

今回の韓国大統領選でジェンダーイシューが急浮上し、女性の代表性向上政策も変化を迎えるものとみられる。

大統領が誰になっても、女性の変化と女性関連政策の方向修正は避けられないだろう。保守系野党「国民の力」の大統領候補、ユン・ソンヨル(尹錫悦)候補は「女性家庭省廃止」を公約とし、与党「共に民主党」の大統領候補のイ・ジェミョン(李在明)候補は「性平等家族省」への改編を考えているという。

ある女性政策関連の専門家は「政権のスタンスによって女性政策の方向は変わるだろうし、女性の代表性向上も目標設定などで変化があると見られる。現政権は国家ジェンダー指数、地域ジェンダー指数などに関心を持ち、ジェンダー問題の解決推進に重点を置いた方だと思う」と述べた。

政界での議論とは別に、女性の代表性向上の課題は、引き続き推進すべきだという声が出ている。

皆が皆というわけではないだろうが、女性は一般的に男性より「ガラスの天井」という構造的な問題を理解しており、このため、関連政策を決める高位職グループに女性がもっと多くならなければならないということだ。

さらに、専門家らは、形式的な代表性ではなく、下の役職から上がる際、ガラスの天井で遮られ、昇進が止まらないよう実質的な代表性を担保しなければならないという点を強調する。韓国女性政策研究院のキム・ヨンラン博士は「政界と政府で女性を『天下り』のように高位職に就かせるのは、形式的な代表性だ。公共部門と一般企業で働く女性たちの困難を反映し、着実に上位職へ上がれるように代表性を高めることが重要だ」と強調した。

(つづく)

RELATED ARTICLES

Most Popular