2024 年 7月 27日 (土)
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[KWレポート] 韓国の翼、羽ばたけるのか…KAL・アシアナ合併のゆくえ (6)

アシアナでは1000ウォンで1.5マイル→大韓航空でも1.5?

©MONEY TODAY

日本でもおなじみの大韓航空とアシアナ。韓国を代表する航空2社の合併に注目が集まっています。韓国公正取引委員会が「条件付き承認」の決定を出し、プロセスは「5合目を越えた」と言われています。現状を取材しました。(最終回)

◇どの比率で切り替え?

KALとアシアナが一つになる――この時、二つの航空会社の利用者が真っ先に心配したのが、マイレージがどうなるかだ。韓国公正取引委員会も企業合併の承認条件の一つとして、統合マイレージ制度運営方法の提出を求めた。

具体的には、アシアナ航空の顧客が持っているマイレージを、どの比率で大韓航空のマイレージに切り替えるか……。公取委はマイレージ制度が消費者に不利にならないようにしなければならないという立場を強調している。

両社はそれぞれの航空便の利用実績に応じて、無料・割引航空券、座席のアップグレードなどの特典を提供するマイレージ制度を運営してきた。クレジットカードと提携し、決済金額に応じてマイレージを貯める「マイレージカード」も広く使われている。

問題は積立率だ。クレジットカードのマイレージ特典は通常、決済金額1000ウォンで大韓航空は1マイル、アシアナ航空は1.5マイルがそれぞれ積み立てられる。相対的に安く積み立てられるアシアナ航空のマイレージを、果たして、そのまま大韓航空のマイレージとして認めるか……。

◇大韓航空がまず案を提出

公取委がつけた条件はこうだ。「各社のマイレージ制度を、2019年より不利に変更してはならない」

大韓航空は2019年末、マイレージの積立率を引き下げ、無料航空券の決済ポイントを引き上げるなどのマイレージ制度改編を発表した。だが翌年、新型コロナウイルス感染拡大を理由に施行を保留した経緯がある。

公取委は「今後10年間、大韓航空の改編発表前のレベルでマイレージ制度を維持しなければならない」としている。

この問題については、企業合併の日から6カ月以内に、両社がマイレージ統合案を提出し、それを審査することになっている。「消費者が不利にならないよう統合マイレージ制度を運営するよう審査する」。公取委はこう強調する。つまり、アシアナ航空のマイレージ保有客が不利にならないよう審査する。それゆえ「大韓航空マイレージと1対1の割合で認めること」に重点が置かれるというわけだ。

大韓航空側はもちろん、これに難色を示す。そもそも2019年のマイレージ制度の見直しが新型コロナという予測不可能な状況により、白紙になった。アシアナ航空マイレージを大韓航空マイレージと同一に認めると、費用負担が増えるためだ。

公取委のマイレージ恩恵維持要求に難色を示している。「公取委の要求に『難しい』という立場を伝えた。これまでに、アシアナ航空のマイレージ制度の内訳を確認できたわけではない。マイレージ統合比率は、企業合併後に決定する話だ」。大韓航空関係者はこう語気を強める。

アシアナ航空といかなる割合でマイレージを統合するか、大韓航空がまず案を提出することになった。「その案を見て、消費者が受け入れ可能なのか考慮して審査し、承認するかどうかを決定する」(公取委のコ・ビョンヒ市場構造改善政策官)

韓国の新たな翼が羽ばたくまでには、まだ紆余曲折がありそうだ。

(おわり)

「韓国の翼、羽ばたけるのか…KAL・アシアナ合併のゆくえ」はMONEY TODAYのユ・ソンイル、キム・フンナム、ユ・ジェヒ、チョン・ハンギョル、イ・テソンの各記者が取材しました。

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