単純な情報伝達だけをするチャットボットサービスからさらに進んで、今後は、人工知能(AI)が、各地の言葉で人と自然に対話し、共感する時代が開かれる。
2024年に700兆ウォン規模に成長すると見込まれるグローバルAI市場において、国内情報技術(IT)業界がその一翼を担うため、AI技術高度化とサービス商用化を推進している。
ネットや通信大手のネイバー、カカオ、KT、SKテレコムなどはグローバル企業と競争するため、対話型AIサービスを実生活に導入している。
米オープンAI社が開発した対話型AIチャットボットサービスの成功事例は、AI事業推進を考える韓国企業に強い刺激を与える契機となった。
◇感性を理解、人と共感
KTは超巨大AI商用化のために積極的に事業を展開している。KTが開発する超巨大AI「信頼(ミドゥム)」は多様な応用事例を簡単に学習できる「協業融合知能」を保有する。マルチタスクに最適化された基本AIモデルを作り、応用分野ごとに専門企業と協業して、KTの超巨大AIが外部の知識を素早く習得できるようにした。
あわせてKTは、企業顧客(B2B)に、オーダーメード型で、超巨大AIモデルを構成する専門化ツール「信頼レッツ」を提供している。スタートアップや国内外協力企業に、システムへの接続方法を外部に公開してデータや機能を共有する「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)」を提供するオープンポータル「ジニーラボ」▽産学研協力体「AIワンチーム」――を中心とした「超巨大AIのための開放型生態系」を構築する。
「信頼」は感性を理解し、人間と共感するAIを目標とする。少量のデータを学習してユーザーの意図を解釈し、状況に合わせて話し方や声を変えることも可能だ。以前交わした対話を記憶し活用するなど「人にもっと近い対話」を目指す。「信頼」の特徴を活用したサービスとしてAI専門相談、AI感性ケアを挙げることができる。
◇「健康に異変」…まず問いかけ
AI専門相談はAIが単純な問い合わせ応対にとどまらない。専門領域に関する膨大な知識を学習し、AI形状化およびパーソナライズTTS(Text to Speech)技術で専門的な相談に応じる。KTは最近、ジニーTVの音声対話機能を使ってAIオ・ウンヨン博士と相談できる「オ・ウンヨンAI育児相談サービス」を公開した。
AI感性ケアはAIがシニア顧客と過去の対話を記憶し、好きな場所や趣味など顧客の状況を認知して感性的な対話ができるサービスだ。AIが顧客の健康などに異変があると判断すれば、先に話しかけたり、状況と対話を要約したりして保護者や関連機関に伝えることができる。
KTのク・ヒョンモ代表は「AIは予想より短い時間ですべての産業に広く適用されている。付加価値を創出しDX(デジタルトランスフォーメーション)を導いて、世界経済の流れを変えている。KTは超巨大AI、インフラ革新、人材養成などAIを中心に韓国が世界最高水準のデジタル競争力を備えられるように利用可能なすべての力を惜しみなく注ぐ」と表明している。
(つづく)
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