2024 年 5月 24日 (金)
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[KWレポート] 賞味期限から消費期限へ (3)

保管・流通の責任重く

ソウルの国会正門前で、市民団体のメンバーが消費期限表示制の導入を促す記者会見を開いている©NEWSIS

韓国で来年1月から食品などに表示されている「流通期限(賞味期限)」が「消費期限」に改められます。食品業界が期待を膨らませる一方、保管をめぐる問題への懸念も持ち上がっています。新制度に向けた動きを取材しました。(シリーズ3/4)

韓国で賞味期限廃止・消費期限が来年1月に導入することに関し、食品業界は期待を膨らましている。

消費期限は、食べても安全に問題ないと認められる期間を指す。通常、賞味期限は「実際に食べられる期間の60~70%」程度だが、消費期限はそれよりさらに長くなるのが特徴だ。食品業界は、消費期限が導入されれば、製品の販売期間がはるかに長くなる可能性がある点に期待している。

一方で不安もある。消費者が製品を保管したり食べたりするプロセスで、さまざまな問題が起きる可能性があることだ。

まずは保管策。

韓国環境省が2019年に発表した「全国廃棄物発生および処理現状」によると、韓国で2017年、1日に発生する食品廃棄物は、1万5903トンに達した。生活廃棄物全体の30%を占める。1人当たり1日に0・28キログラムの食品廃棄物を捨てており、年間580万トンの食品廃棄物が発生しているという統計もある。

このように捨てられる食料の資源価値は年間20兆ウォンを超える。

◇牛乳などは賞味期限表示を維持

食品廃棄物が2010年以降、年平均2.3%ずつ増えている点も大きな問題だ。新型コロナウイルス感染のパンデミック以降には、家庭で食事をする人が増えたことで食品廃棄物がさらに増加したと推定されている。

580万トンの食品廃棄物を処理するのにかかる費用は年間8000億ウォン、回収費や廃棄費用を加えると1兆ウォンを超える。新型コロナ以降、食品廃棄物が年間1000万トンまで増えたとすると、処理費用だけでも2兆ウォンに迫る。

食品ロスを減らすため、韓国政府は1985年に導入した賞味期限の廃止を進めてきた。しかし、各業界の反対により施行が先送りされ、こうした内容が盛り込まれた「食品などの表示・公告に関する法律」の一部改正案が昨年、韓国国会本会議を通過し、2023年から本格的に施行される。

©news1

牛乳をはじめ冷蔵温度に敏感な一部製品は、消費期限の導入を8年間見送ることになった。こうした製品は2031年まで賞味期限表示を維持する。韓国の冷蔵流通システムが、消費期限を導入するには、まだ安全性に欠けることが主な理由だ。

豆腐の場合、一般的に賞味期限は14日だ。しかし、保管条件によって消費期限は100日ぐらいまで延ばすことができる。賞味期限が3日しかない食パンは約20日まで延びる。

ほかにも6カ月と賞味期限が長いスライスチーズ類は、消費期限を適用すれば250日まで延びる。クリームパン2日、冷凍餃子25日、卵25日、生麺9日、液体コーヒー30日など、消費者が食べられる期間がさらに長くなる。

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◇消費者の取り扱い不注意への懸念

食品業界では、消費期限の導入に対して肯定的な立場だ。消費期限の表示が施行されれば、賞味期限が過ぎて捨てられる食品ロスの量や、これを処理するために発生する損失費用を画期的に削減することができるためだ。

企業は消費期限が導入される場合、製品販売期間が延びて売り上げにも貢献するとみている。大企業の場合、製品消費量に合わせて生産量を調整すれば在庫管理に有利になる。

中小企業も流通・販売システムを備える場合、賞味期限に比べて製品販売期間が延びることで実績の一助になるものとみている。チーズ類を生産する企業の場合、いったん生産した製品を最大8カ月まで販売できる。

ただ、業界関係者は「賞味期限や消費期限に対する消費者の的確な認識が必要だ」と指摘する。消費期限を導入すれば、消費者との衝突が増加するかもしれない、心配しているのだ。

販売期限が長くなることで、製品の保管や流通に問題が発生した際のメーカーへの責任が、賞味期限を適用していた時より大きくなるかもしれないのだ。

また、消費者の取り扱い不注意による責任問題も、これまで以上に増えると考えられる。

消費期限に合わせて製品を販売した後、消費者が期限内に摂取しなかったことで生じる問題まで企業が責任を負わなければならない状況が発生しかねない、という指摘もある。

一部では、制度が定着するまで賞味期限と消費期限を並行して表示することが望ましいという意見も出ている。消費者が保管に対して注意を払わなければならないため、正確な情報伝達を急ぐべきだという声も聞こえる。

業界関係者は「企業と消費者が混乱しないよう、制度をどう定着させるべきか、その方法を模索する必要がある」と訴える。

(つづく)

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