メーカーの選択次第…
韓国で来年1月から食品などに表示されている「流通期限(賞味期限)」が「消費期限」に改められます。食品業界が期待を膨らませる一方、保管をめぐる問題への懸念も持ち上がっています。新制度に向けた動きを取材しました。(シリーズ2/4)
◇「どんな状態の食品ならば安全なのか」
「アイスクリームはいつまでに食べなければいけませんか?」
韓国で来年から、食品に表示される賞味期限が「消費期限」に変わる。いつ、どんな状態の食品ならば安全なのか、消費者の関心高まっている。
その一例――。
豆腐は賞味期限が14日だが、消費期限となれば90日まで延びる。牛乳も賞味期限より、1週間以上も飲める期間が長くなる。
賞味期限の代わりに消費期限が表示されると、食べてもよい期間がさらに長くなる。それゆえ、変質していない状態で消費者が食べられるよう、食品保管法の順守がいっそう求められる。
◇メーカーの裁量
こうしたなか、アイスクリームや砂糖など、賞味期限の表示をあらかじめ省いている食品が注目を集めている。
賞味期限を表示する場合もあるが、食品衛生法に規定された食品表示基準により、メーカーの裁量次第で賞味期限を表示しなくてもよい場合もある。
食品には「製造日時」「賞味期限」「品質維持期間」の3つの日付が表示される。このうち賞味期限の表示を省く食品は少なくない。
代表的なのは砂糖、アイスクリーム、冷菓類、食用氷、ガム類(個包装)、食塩、酒類などがある。ただ、酒類のうち、ビール、マッコリ、薬膳酒の場合、賞味期限の表示が義務づけられる。
また、レトルトや缶詰などの長期保管商品やジャム、あめ、調味料、キムチ、塩辛などの品質維持期限を表示している食品は、賞味期限の表示を省いてもよい。
ただ、メーカーごとの流通や保管上の理由で変質する可能性を排除できないため、メーカーの裁量で賞味期限を表示することもできる。塩や砂糖が代表例だ。メーカーが自主的に実験して、そのデータをもとに賞味期限を設定して表示する。おおむね、製造日から5年を賞味期限としている。ただこれは品質力維持のための措置であり、事実上、砂糖、塩の賞味期限はないともいえる。
アイスクリームはマイナス18度で保管する場合、賞味期限なしに食べることができる代表的な食品だ。
固体状態で凍らせたアイスクリームは、水分の移動ができず微生物繁殖の恐れがないため、賞味期限に関係なく食べてもよい。しかし、流通業者や消費者の不注意により保管が不十分になる可能性を排除できず、メーカーは製造から1年以内に食べることを勧奨している。
このように賞味期限の表示を省いてもよい商品は、来年、賞味期限が消費期限に変更されれば、どんな影響を受けるのか。
メーカーが任意で賞味期限を表示した食品の場合、賞味期限の代わりに消費期限を表示しなければならない。ただ、そもそも賞味期限の表示を省略できるような食品の場合、消費期限の表示も義務事項ではない。
食品医薬品安全処の関係者は「賞味期限表示を省くことができる食品も、メーカーの選択次第でそれが表示される場合がある。来年、消費期限が導入されれば、賞味期限の代わりに消費期限を別途表示しなければならない」と述べた。
(つづく)
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