2024 年 12月 27日 (金)
ホーム特集KW レポート 賞味期限から消費期限へ (1)

[KWレポート] 賞味期限から消費期限へ (1)

ラーメン、韓国では6カ月、輸出用は12カ月

©NEWSIS

韓国で来年1月から食品などに表示されている「流通期限(賞味期限)」が「消費期限」に改められます。食品業界が期待を膨らませる一方、保管をめぐる問題への懸念も持ち上がっています。新制度に向けた動きを取材しました。(シリーズ1/4)

◇「賞味期限から数カ月過ぎても、いくらでも食べられる」

ラーメンを食べようと取り出してみたら、賞味期限が切れていた。どうすればいいのか。

ラーメンは賞味期限を大きく超過すれば、変質する恐れがある。だが、麺とスープはいたって変わらないことが多い。

「量を適度に購入して賞味期限までに食べきることが理想だが、賞味期限が間近だったり、過ぎたりしたからといって、直ちにラーメンを捨てる、ということは、合理的な消費スタイルではない」

これがラーメン業界関係者の見解だ。

ラーメンは保管方法によっては賞味期限から数カ月過ぎても、いくらでも食べられる――関係者はこう指摘する。

ただし、賞味期限が過ぎたラーメンは、しっかりと調理しなければならない。食べる前、必ずにおいをかいだり、目で確かめたりする必要がある。製品が変質したものでなければ、賞味期限を少し過ぎたからといって、無条件に捨てる必要はない、というのが専門家の共通した意見だ。

ラーメンの賞味期限は製造日から「6カ月」だ。より本質的なことを言えば、この期限までに売らなければならない。しかし、消費者が食べてもよい「消費期限」は、これよりも長い。保管方法によって異なるが、ラーメンの消費期限は「8カ月」程度だ。

(三養食品提供)©news1

◇国内用と輸出用でなぜ違う

この「ラーメンの賞味期限」に関し、中国で最近、ある問題が起きた。

韓国大手の「三養(サミャン)食品」の「ブルダック炒め麺」について、今年4月、韓国国内向け製品の賞味期限が「6カ月」なのに、中国への輸出用は「12カ月」と、2倍も長くなっていることが判明した。

中国のネットユーザーが「ブルダック炒め麺」の賞味期限について「韓国国内用と輸出用でなぜ違うのか」と指摘すると、中国では「食べてはいけない製品を中国人に販売している」という批判的な反応が巻き起こった。

しかし、結論から言えば、三養食品だけではなく、「農心(ノンシム)」「オットギ」などの輸出用ラーメンの賞味期限は、すべて12カ月。韓国内で流通しているラーメンの賞味期限の倍になっている。

だからといって、輸出用ラーメンが有害であるというわけではない。

なぜ賞味期限にこうした違いをもたせているのか――。

韓国から輸出するラーメンの場合、一般的に船舶で運搬する。通関や物流過程に時間が長くかかるため、賞味期限を長くしているのだ。「三養食品から輸出するすべての韓国の輸出用製品の賞味期限は、一括して12カ月にしている」(三養食品関係者)という。

主要輸出国の消費者のもとに到達するまで、海上運送と輸入国の検疫、通関、内地運送と長い過程を経る間に劣化するのを防いでいるためだ。

©news1

◇酸化防止剤

賞味期限を長くする際に使われるのが、酸化防止剤だ。

国内向けのラーメンの場合、酸化防止剤は使用されない、あるいは一部の製品のみに使用する。一方、輸出用製品には、すべて酸化防止剤を添加して酸化を防いでいる。

三養食品関係者は消費者の懸念について、こう回答している。「酸化防止剤に使う抗酸化物質に化学成分が使われているのではと思われがちだが、われわれの抗酸化方法として天然由来成分の緑茶抽出物を配合している。賞味期限が1年に長くなってもまったく問題ない」

オットギのラーメンも同様だ。オットギの関係者は「輸出用製品の麺は、国内向けの製品とは異なる配合比を適用し、輸出する国ごとの基準にあった製品を製造している」と説明している。

食品医薬品安全処も酸化防止剤の安全性については認めている。同処の関係者は、ラーメンに使用する酸化防止剤について「パルミチン酸L-アスコルビル、トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンC、お茶から抽出した茶カテキン、その他、お茶の抽出物などが使用可能だ。食品添加物の使用基準を順守していれば、安全性に問題はない」との見解を示している。

(つづく)

©NEWSIS

RELATED ARTICLES

Most Popular