2024 年 2月 23日 (金)
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[KWレポート] 尹錫悦政権100日の成績表 (2)

「DJ・米国の事例を参考に」

今月11日、ソウル市瑞草区で開かれた第5回非常経済民生会議の冒頭、発言するユン大統領(大統領室提供)©news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が先月17日で就任100日を迎えました。保守系政党「国民の力」入党と党内予備選挙、大統領選挙・就任という「短くて太い」政治経験の中で試行錯誤をしてきました。ユン政権の前途を考えてみました。(シリーズ2/4)

ユン氏は、政権に対抗した剛腕検事として突風を巻き起こして政界に入り、それから9カ月後に大統領選で勝利した。

韓国国会で与党が少数派である「与小野大」の政治情勢の中で、ユン政権が提示した政策が逆風なく成果を出すためには、野党との意思疎通に先立ち、何よりも与党との緊密な関係が重要だとの指摘もある。

8月現在、国会議席数は「共に民主党」169議席、「正義党」6議席、「時代転換」と「基本所得」党各1議席だ。進歩陣営が177議席を占めており、与党である「国民の力」は115席に過ぎない。24年4月10日までの1年8カ月間は「与小野大」の国会を相手に、政府を率いていかなければならないという重荷を背負っている。

与党と政府との円満な「党政関係」を築いたオバマ米大統領でさえ、政権2期目には「与小野大」議会がいつも足を引っ張り、1期目に比べて明確な成果なしに任期を終えたという評価が、ワシントンの政界にはある。

ソウルの「青瓦台」開放に加え、1948年4月に済州島で起きた民衆の武装蜂起の鎮圧で犠牲となった人を追悼する「済州4・3式典」に保守政党の大統領として初めて出席▽出勤途中の「囲み取材」――など、意思疎通を重視する姿勢。歴代大統領の中で最も速い米韓首脳会談開催など、就任初期の外交政策は高く評価されている。

だが、国会で与党は内紛に包まれており、野党はユン政権と政策、大統領室だけでなくユン大統領とその周辺に対して批判を強めており、政策が逆風にさらされている。

専門家は、政権の求心力を確保し、支持率を回復するためには、まず与党と政府の「党政関係」が円滑でなければならないと助言した。党内の内紛を1日も早く収拾し、党政のトロイカ(党代表、首相、大統領)が膝を突き合わせて協議し、民生に集中する姿を見せなければならない時だ。

3月23日午後、全羅南道新安郡下衣島のキム・デジュン(金大中)元大統領の生家を訪ねたユン大統領当選者(当時)©news1

現在の難局を突破するために、ユン政権と与党「国民の力」が参考にすべき事例があるだろうか。歴代政府の中では、キム・デジュン(金大中)=DJ=政権が党政関係をうまく運営したとされている。

キム・デジュン氏は1997年の大統領選当時、自由民主連合(自民連)総裁のキム・ジョンピル(金鍾泌)=JP=氏と、DJP連合(地域では湖南・忠清連合)を組み、政権を握った。キム・デジュン氏は自民連が院内3党(299席のうち50席)の中で党勢が強くなかったにもかかわらず、果敢にキム・ジョンピル総裁を首相に任命した。そして、経済分野の閣僚はキム・ジョンピル首相に任せ、DJP共同政権を構築した。

大統領秘書室長も側近ではなく保守性向のキム・ジュングォン前議員に任せるなど、統合政治を実現したというのが政界の評価だ。また、長年の政治経験(36年)に基づいた強大な党掌握力で、与党とも無難な関係を維持した。2001年に初めて「野政政策協議会」を開催するなど、野党の声にも耳を傾けた。

ノ・ムヒョン(盧武鉉)政権の場合、政権序盤は比較的円滑な党政関係を維持したが、大統領が新党ウリ党に力を与え、党政関係が破綻した。イ・ミョンバク(李明博)、パク・クネ(朴槿恵)両政権では「大統領が漢江の橋を渡るのを嫌っている」という話が出回るほど、汝矣島(漢江の南側に位置する国会議事堂のある地域)政治に対する不信感が強く、党政関係が滑らかではなかったと政界では言われている。

2016年3月21日、キューバの首都ハバナで開かれた企業家精神パネル討論会で笑みを浮かべるオバマ元米大統領(AFP)©news1

政権と与党が参考にすべき海外事例は、米国だ。特に、オバマ氏は大統領時代、政権1期目の間は随時与野党議員らと電話協議したり、夕食をともにしたりし、ガバナンスに力を注いだ。与野党の関係が正面衝突する時は、オバマ氏は反対派や野党議員に一人一人電話をかけ、「助けてほしい」と頼むほどだった。

米国は世界的に三権分立が最も徹底的に守られる国でもある。党政関係が事実上、元請け・下請け関係に近い韓国と違い、米国は水平的関係を維持している。

大統領の最側近の与党議員でも、政権が推進する核心的な政策を強く批判するほどだ。

これに比べ、主従関係に近い韓国の歪曲した党政関係は、総選挙の公認権問題ともリンクしている。党代表が公認の全権を握っているが、事実上大統領がこれを牛耳っているためだ。大統領制で公認権に大統領の意向が反映されるのは避けられないが、過度な場合、深刻な後遺症に巻き込まれかねない。

イ・ミョンバク氏の大統領就任直後に実施された2008年の第18代総選挙で、ライバルであるパク・クネ氏系の候補が与党の公認を受けられなかったケースが代表的だ。当時、「国民も騙され、私も騙された」というパク氏の発言で大きな波紋が広がり、「親朴連帯」というミニ政党まで出現。与党全体が深刻な内紛に陥った。

二の舞いを踏まないためには、大統領の公認権に対する影響力を最小限に止める必要性が提起されている。

時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長は「望ましい党政関係のためには、大統領が総選挙での公認問題に介入しないことが重要だ」と言う。「党政関係が元請け下請け関係のようになり、党が大統領の顔色をうかがうのも結局、公認権のためだ」と指摘した。また「大統領(首相)の公認権行使を制度的に阻止し、草の根から着実に上がってくるボトムアップ式公認制度が定着しているフランスやドイツの事例が参考になる」と提言した。

専門家は、党が大統領に加減なく民心を伝え、一方、ユン大統領は党の声に耳を傾けるべきだと口をそろえた。

政治評論家のパク・サンビョン氏は「(与党の)『国民の力』と大統領室が言葉だけを交わすのではなく、互いの意見やビジョン、価値、政策を共有することが重要だ」とし、「大統領が政治懸案と関連して随時『国民の力』と意思疎通を図る姿勢を維持しなければならない」と述べた。

大統領リーダーシップ研究院のチェ・ジン院長は「党政関係が緊密にうまくいってこそ、大統領支持率も上がり、国民も安心し、国政が円滑に進む」とし、「上意下達で大統領室が党に指示を下すのではなく、党政が互いに活発に話し合い、水平的関係を作らなければならない」と述べた。

チェ院長はまた「大統領が政策を巡って一晩中悩み、首相を呼んで会議し、野党に協力を求めるなど、民生に力を尽くす姿を見せなければならない」と述べたうえ「党内権力を巡ってパワーゲームをする状況を一日も早く終わらせなければならない」と強調した。

(つづく)

©news1

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