2024 年 2月 26日 (月)
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[KWレポート] 大統領候補たちの経済公約 (3)

原発…尹「最強国」vs李「減原発」

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韓国大統領選(3月9日)まで2週間を切りました。主要候補らが打ち出す政策によって、韓国での暮らしぶりも大きく変わります。各候補の経済公約を分析してみました。(シリーズ3/4)

◇カーボンニュートラルへの道、再生エネルギーか原発か

次期政権のエネルギー政策の方向性に対する各党の大統領選候補の具体的な考えが確認された。二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」社会への転換という方向性は、すべての候補が同意している。だが、各論では見解の差が大きい。特に2大政党の候補はそれぞれ「再生エネルギー」と「原発」をカーボンニュートラルの核心エネルギー源とし、次期政権で集中的に育成するという考えだ。

進歩系与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)候補と、保守系最大野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)候補は、いずれも公約履行の核心ポイントとなる「再生可能エネルギー費用」や「使用済み核燃料」の処理問題について明確な解決策を出していない。どの候補が当選しても新政権での議論は避けられない見通しだ。

韓国マニフェスト実践本部が2月16日に公開した「第20代大統領選挙マニフェスト比較分析のための質疑答弁書」によると、イ候補は再生可能エネルギー拡大をエネルギー政策の核心として提示したのに対し、ユン候補は「脱原発」白紙化と原発産業育成に重点を置いた。

イ候補の場合、事実上、ムン・ジェイン(文在寅)政権のエネルギー転換政策を継承すると見ることができる。イ候補が提出した資料を見ると、10大公約のうち2番目の優先順位である「新経済、世界5強の総合国力達成」部門にエネルギー政策が含まれている。再生可能エネルギー分野を韓国の核心成長動力と認識しているという意味だ。

◇ スマートグリッド

イ候補はカーボンニュートラル目標達成に向け、全世界が集中育成している再生可能エネルギーをさらに拡大するための案として「エネルギー高速道路建設」を提示した。パク・チョンヒ(朴正熙)元大統領の京釜(キョンブ)高速道路、キム・デジュン(金大中)元大統領のIT(情報通信)道路にたとえた産業構想で、全国で生産された再生エネルギーを簡単に流通させることができるスマートグリッド(次世代電力網)を構築するという構想だ。

加えて、従来の脱原発政策の速度調節バージョンである「減原発」政策により、2030年までに新再生エネルギーの割合を30%まで上げる計画だ。例えば、ムン政権で工事が中断されたまま捨てられた新ソウル3、4号機の場合、国民の同意が得られれば、再度推進する意思もあるというのがイ候補の考えだ。

脱炭素産業構造への転換への意思も明らかにした。大規模なR&D(研究開発)、税制支援などを通じて炭素多排出業種の産業転換と公正効率化を支援するということだ。イ候補はこれと関連し、2021年8月、エネルギー転換過程で既存の衰退産業の労働者にセーフティネットを提供できるよう「公正転換ファンド」などを造成するという計画を明らかにしている。公約推進に必要な財源は正確に明らかにしなかった。ただし、一般財政と民間投資の活性化を誘導し、気候対応基金、温室効果ガス排出権関連の有償割り当て転換予算などを活用して調達する方針だ。

◇ 「脱原発政策」廃棄

一方、ユン候補は、気候危機に対応するための核心公約として、現政権の脱原発政策の廃棄を掲げた。ユン候補は公約質疑答弁書を通じて「実現可能なカーボンニュートラルと原発最強国建設」というエネルギー公約を9番目の優先順位で提示した。

ユン候補は2030年国家温室ガス削減目標(NDC)を順守するが、現政権の「脱原発」政策を白紙に戻し、原発産業を育成するという意思を明確にした。特に新ソウル原発3・4号機建設の即時再開を含め、原発の活用度を高めるという腹案だ。ユン候補側は「世界最高水準の原子力発電に持続的に投資することで、環境にやさしいエネルギー生産を確保するのはもちろん、全世界に原発技術を輸出する」と明らかにした。

再生可能エネルギーは原発の補助手段として育成する方針だ。ユン候補側は「太陽光、風力など出力が変動的な再生可能エネルギーについては、水素の生産と電力取引の規制緩和、エネルギー貯蔵装置の普及などの補完装置を用意する」と述べた。公約履行のための財源調達案としては、2兆2000億ウォンを割いて、財政支出時期の調整と裁量支出の構造調整を通じて財源を調達し、景気回復を前提とした歳入増大予想分を活用すると明らかにした。ただ、原発拡大のために必須の使用済み核燃料の処理案などに対する言及はなかった。

「科学技術大統領」を標榜する中道系野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)候補も原発の役割を拡大すると公約した。革新型次世代原発(SMR)技術開発事業を国策事業として推進する一方、新ソウル3・4号機は直ちに工事を再開すると明らかにした。

◇ 省庁の権限拡大

候補の中で気候変動に対応する政策の推進のため、政府組織の再編に一番果敢に乗り出したのはイ候補だ。「大統領4年再任制」に向けた憲法改正とともに、大々的な省庁の権限拡大を提案した。イ候補は、科学技術革新副首相制を新設し、国家科学技術革新戦略を主導するよう、企画と予算権限を大幅に委譲するという計画だ。同時に▽気候エネルギー部▽宇宙戦略本部など科学関連省庁の新設も推進する。女性家族省や企画財政省などの再編も推進する方針だ。

ユン候補は答弁書で具体的な省庁組職改編案を明らかにしなかったが、大統領直属の国家科学委の設置を公約したことがある。

アン候補は科学技術副首相を新設する一方、産業通商資源省を「産業資源エネルギー省」に改編し、産業とエネルギーの融合戦略に焦点を合わせるという立場だ。

(つづく)

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