2024 年 5月 22日 (水)
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[KWレポート] 供給網崩壊 (8)

保護貿易主義・覇権競争での生存

米ホワイトハウスサウスロンで「チップスプラス」法案に署名するバイデン米大統領(AP)©NEWSIS

新型コロナウイルスの感染拡大とロシアによるウクライナ侵攻などにより、平和な国際分業体制が崩れ「グローバルサプライチェーンの危機」が深刻化しています。韓国の事情を取材してみました。(シリーズ8/9)

◇供給網再編が輸出環境に悪影響

「輸出で生計を立てている国」――韓国の経済発展プロセスを説明する際、よく紹介される文章だ。それだけ輸出が韓国経済に占める割合は大きい。

新型コロナウイルス禍による危機を体験した昨年、4%台の成長率を記録できたのは、輸出が韓国経済を支えたからだ。

今年の状況は違う。貿易収支の赤字規模が過去最大だという見通しも出ている。

韓国が輸出で金を稼げないという意味で、これはグローバル金融危機を経験した2008年以来のことだ。さまざまな理由があるだろう。保護貿易主義と主要国の覇権競争に伴うグローバルサプライチェーン再編の過程が、韓国の輸出環境に悪影響を及ぼしたものとみられている。

専門家は、多国間通商システムの崩壊に適応するための政府の素早い対処が必要な時期だと話す。韓国企業の情報非対称性を解消するための政策的な努力も求められる。

◇輸出大国の韓国、14年ぶりに黒字が途絶える

関係省庁などによると、昨年の年間輸出額は6445億4000万ドルで、前年比25.8%増え、史上最高値を更新した。

輸入額も初めて6000億ドルを超え、貿易規模は1兆2500億ドルまで拡大した。これは世界で8番目に大きい規模であり、輸出額だけで見れば世界7位に当たる。貿易収支は13年連続黒字を出している。

だが、今年は連続貿易黒字が途絶える可能性が高い。韓国経済研究院は、今年の貿易赤字が480億ドルに達するという分析を出した。これは貿易統計が作成された1964年以後、最大規模だ。

◇不安、当分続く可能性

貿易赤字の原因としては、国際原材料価格の上昇による高い輸入物価を挙げた。韓経研は、輸入物価が1ポイント上がれば、貿易収支は8億8000万ドル悪化するものと推算している。

新型コロナウイルス禍からの回復過程でグローバルサプライチェーンが損なわれ、韓国だけでなく世界はインフレ(物価上昇)の危機に見舞われている。さらに今年初め、ロシアのウクライナ侵攻は地政学的リスクをさらに浮き彫りにし、この状況に油を注いだ。

国際金融センターの「最近のグローバルサプライチェーン支障緩和と展望」によれば、米連邦準備制度(Fed)の「グローバルサプライチェーン圧力指数」は、2020年末の1.63から2021年末には4.31と2.5倍以上急騰した。

また、米国と英国は6月と7月にそれぞれ9.1%、10.1%の物価上昇率を記録したが、これは約40年ぶりの高い水準だ。ユーロ圏も今年8月(9.1%)に史上最高値を更新した。

グローバルサプライチェーンの不安が当分続く可能性があるという分析も出ている。

国際金融センターのパク・ジンヒョク副専門委員は「全世界の海上運送の重要な経路である台湾海峡、上海港の条件が悪化する場合、グローバル物流難が再現される可能性も排除できない」と分析した。

加えて「サプライチェーンの支障が完全に解消されていない状況で、年末年始の一時的な需要急増により、緩和が遅れる可能性が依然として残っている。気候変動に伴う作況の悪化などで、農産物価格が再び上昇する動きを見せている点も負担要因だ」とみている。

(つづく)

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