2024 年 7月 20日 (土)
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[KWレポート] 中国で「K-ビューティー」は生き残れるのか (5)

雪花秀が帰ってきた…生存戦略は「高級」

イニスフリーの中国現地売り場の全景©MONEY TODAY

世界最大の化粧品激戦地・中国。これまで優勢だった韓国産を、急成長する中国産が脅かしています。「韓流禁止令」や新型コロナウイルスの感染拡大、共同富裕――激変する中国市場で、「K-ビューティー」はどう「C-ビューティー」と競い合うべきか、その生き残り戦略を検証しました。(シリーズ5/6)

韓国・食品医薬品安全処によると、2020年の韓国の化粧品輸出規模は、前年比16.1%増の75億ドル。家電(70億ドル)、携帯電話(41億ドル)、医薬品(72億ドル)をしのぐほどに成長した。輸出全体のうち、対中国が38億ドルで50.3%を占める。それだけではない。韓国はドイツを押さえ、フランス、米国に続き化粧品輸出国で世界3位に躍り出たのだ。

輸出規模は増えた。しかし、世界最大の化粧品激戦地・中国ではK-ビューティーがさえない。イニスフリー、エチュードハウス、ザ・フェイスショップ、メディヒールなど、中・低価格ブランドの売上が急落している。

韓国の化粧品産業は、中国抜きには語れない。K-ビューティーが中国市場で生き残るにはどうすればいいか……。

誠信女子大ビューティー産業学科のキム・ジュドク教授の助言はこうだ。

「どの国でも、中・低価格の化粧品市場では自国ブランドの強みが現れる。中国でもチャイナブランドが中・低価格市場を掌握している。K-ビューティーが中国で生き残るためには、研究開発(R&D)をもとにした技術的優位と、強力なブランドを前面にした『高価格政策』を取るべきだ」

「ロレアル(LOREAL)」「エスティローダー(ESTEE LAUDER)」「資生堂」と競うことのできる高級・高価格ブランドを育成しなければならない、ということだ。

「LG生活健康」の「THE HISTORY OF 后」イメージ(LG生活健康提供)©MONEY TODAY

ここで「LG生活健康」を見てみよう。

2020年、新型コロナウイルス感染によるビューティー市場不況でも、同年の売上高は2.1%増の7.8兆ウォンを記録している。LG生活健康の代表ブランド「THE HISTORY OF 后」。2020年には年売上2.6兆ウォンを記録し、グローバルブランドの威厳を誇示した。

LG生活健康は中国市場に進出する際、最初から「后」「su:m37」‎「O HUI」のようなラグジュアリーブランドを前面に掲げた。これはアモーレパシフィックグループが中国市場で育てようしたのが「ラネーズ(LANEIGE)」「マモンド(Mamonde)」「イニスフリー」など中・低価格のブランドが多かったのと対照的だ。

2021年の時点で、LG生活健康は中国市場を足場に「止まらぬ成長」を見せている。「后」は中国人VIPが好むアジアの代表的ブランドに成長した。中国市場でグローバルブランドと競争する最高級ブランドを育てる、というLG生活健康のチャ・ソギョン副会長の作戦が奏功したのだ。

◇中国VVIP(超重要顧客)を狙った最上位ラグジュアリー

アモーレパシフィックは2020年、創設以来初めて希望退職を募り、身を削る構造調整を断行した。そして「ラグジュアリーとオンライン強化」を大戦略に定めた。営業利益が大きく落ち込んだ同社の救援投手になるブランドとして「雪花秀」を前面に掲げ、2020年から中国と韓国国内のオンラインや免税チャネルで攻撃的な戦略を打ち出したのだ。

神秘主義戦略に固執していた雪花秀は再び、アモーレ反転ドラマの主人公として登板した。雪花秀の成果には即効性があった。

「雪花秀」イメージ©MONEY TODAY

2021年第2四半期(4~6月)、雪花秀の中国での売上が前年比でなんと60%増となったのだ。第2四半期の高級ブランド全体の売上は100%増だった。雪花秀はイニスフリーを抜いて、アモーレパシフィックの海外売上でトップを占めるブランドになり、グループをけん引する使命を担うことになった。

K-ビューティー化粧品市場に進出した「新世界」と「現代百貨店」グループも、中国市場で勝負する潜在力を持つK-ラグジュアリーブランドを仕込んでいる。

新世界インターナショナルは既に、中国市場で「プチシャネル」と呼ばれる「ヴィディビーチ(VIDIVICI)」や「ポワレ(POIRET)」「スイス・パーフェクション(SWISS PERFECTION)」を育てている。2020年2月に韓国での事業を開始した新世界スイス・パーフェクションの価格帯は50万ウォンから110万ウォン台、2021年3月に打ち出したポアレの場合、20万~70万ウォン台。高級化粧品を超える超高級ラグジュアリーを目指す。現代百貨店グループが発売した「Oera 」もスイスの技術力を前面に出したラグジュアリーブランドとしてデビューした。

キム・ジュドク教授は「化粧品は家電、携帯電話、医薬品より輸出規模が大きい産業に発展したにもかかわらず、政府の支援はわずかな水準にとどまっている。高価格化粧品として中国に進出するためには、研究・開発費投資を積極的に増やす必要があり、規制も果敢に緩和する国家的支援が必要だ」と指摘する。

(つづく)

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