2024 年 7月 27日 (土)
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[KWレポート] 世界を駆けるK-ゲーム (3)

「プラットフォーム」を夢見るウィメイド

ウィメイド「MIR4」(ミル4)グローバル(同社提供)©news1

韓国発ゲームが各国で注目を集め、ゲーム各社はグローバル市場の攻略に向けて試行錯誤を繰り返しています。その現場を取材しました。(シリーズ3/5)

韓国ゲーム業界で昨年の主役は断然「ウィメイド(WeMade)」だった。ゲームにブロックチェーン技術を組み合わせた「P2Eゲーム」を東南アジア諸国で大ヒットさせ、一気に特級の有望株として浮上した。

「Appleの『App Store』、Googleの『Google Play』、Valveの『Steam』」。これはウィメイドのチャン・ヒョングク代表が新年のあいさつで明かした目標企業だ。単なるゲーム会社を超えて多数のゲームを流通する「プラットフォーム」企業に生まれ変わるという意志が込められている。

実際、「グローバルプラットフォーム」は韓国の会社が到達したことのない領域だ。ただ、最近のウィメイドの行動を見ると、チャン代表の夢がでたらめな話ではないように思える。

◇ウィメイド「プラットフォーム」企業に変身

ウィメイドは近年、自社のブロックチェーンゲームプラットフォーム「ウィミックス」に多数のゲームを組み込んでいる。今年の年末までにウィミックスに100のゲームを登録し、「ゲームプラットフォーム企業」に生まれ変わりたい考えだ。2022年2月22日現在、ウィミックスを通じてサービスされているゲームは五つ。ウィメイドと協業して発売を確定したゲームは17種だ。

具体的なゲームを特定しなかったものの、「ウィメイド」と事業協力を交わしたゲーム会社は12だ。彼らが一つのゲームをウィミックスに載せると仮定しても、すでに30以上のゲームを集めたわけだ。

ウィメイドが小規模なゲーム会社だけと連携しているというのは、大きな間違いだ。既に、ウィミックスプラットフォームには▽Webzen▽NHN▽ACTION SQUARE▽LONGTU KOREA▽JOYCITY――など、多数の上場ゲーム会社が合流している。

自主的にブロックチェーン事業を準備している大手ゲーム会社を除く大半のゲーム会社が、ウィメイドと提携している。

ウィメイドのチャン・ヒョングク代表©news1

◇ブロックチェーンゲームは東南アジアだけ?

ブロックチェーンゲームの主要な事業舞台は東南アジアと南米だ。この地域では、ゲームを通じて稼ぐ収益が最低賃金を超え、ゲームが生計手段として定着した。

ウィメイドの影響力は、東南アジアと南米にとどまっているわけではない。同社によると、「MIR4」グローバルの事業国家はフィリピンとブラジルがそれぞれ1位と2位を占めているが、3位は米国、4位は英国だ。さらに、ベルギーでは全モバイルゲームの1位が「MIR4」グローバルだ。

ウィメイドのチャン・ヒョングク代表は「ブロックチェーンゲームが東南アジアでのみ人気があるという話は間違っている。英国とベルギーは物価が高いため、儲けるためにゲームをする『P2E』ではなく、ゲームを楽しんで財貨を獲得する『P&E』の形態で進行している」と話す。

◇ウィメイド社、今年のグローバル企業買収を予告

ウィメイドの夢は明確だ。2021年、「MIR4」グローバルで見せたブロックチェーンゲームの底力を全世界に広げることだ。同社は2021年3月、米国で開催される「ゲーム開発者カンファレンス(GDC)」を含め、多数のグローバルゲームショーに参加すると宣言した。

チャン代表は今年2月16日のメディア懇談会で「ブロックチェーンゲームはお金を稼ぐためのものではなく、ゲームをより面白くするためのものだという事実をアピールするため、グローバルゲームショーに参加する」と述べた

さらに、チャン代表は、ウィミックス生態系の拡張に向け、外部開発会社の買収合併(M&A)を進めると予告した。

ウィメイドは昨年、連結基準営業利益が3258億4700万ウォンと黒字転換した。売上高は前年比344.1%増の5606億5900万ウォン、当期純利益は4851億5000万ウォンと黒字転換した。

(つづく)

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