2024 年 7月 27日 (土)
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[KWレポート] ファンダムプラットフォームの光と影 (4)

「巻き上げられる気分」

「Weverse Shop」アプリケーション©news1

韓流の熱狂的なファンは今、ファン集団(ファンダム)のプラットフォームからスマートフォンで、韓流スタートリアルタイムで会話をしてしています。韓国の「ファンダムプラットフォーム」はいったい、どのように運営されているのでしょうか。その光と影にスポットを当ててみました。(最終回)

◇「課金」を勧めるファンダムプラットフォーム

10年以上アイドルグループにいわゆる「オタ活」してきたというBさん――。

「アイドルとファンの関係が、ますます“お金だけ巻き上げられている”ような感じだ。プラットフォームのおかげで好きな芸能人との接点が増え、コンテンツが多彩になって嬉しい。でも、ずっと『課金しろ』と煽られている感じがして、虚しくなる時がある」

韓国芸能事務所大手HYBE(ハイブ)のファンダムプラットフォーム「Weverse」は「Weverse Shop」を運営する。アルバム、公演チケット、オリジナルグッズなど、芸能人に関連するさまざまな商品を、1カ所に集めて販売している。

芸能人のニューアルバムをWeverse Shopで購入すれば、専用特典も提供する。芸能人と交流するファンコミュニティを利用するためにWeverseアプリに接続すれば、ファンの心を誘惑する商品を自然に目にすることになる――という構造だ。

自主「通貨」を発行し、有料購読サービス以外にまた別形態の課金システムを構築したプラットフォームもある。

Universeはプラットフォーム内の「キャッシュ」のような無料通貨「KLPA(クラップ)」と有料通貨「LOVE(ラブ)」を発行している。

有料メンバーシップに加入すれば、該当メンバーシップ価格に応じて支給される。「パッケージ」の購入を通じて、メンバーシップ加入をせずに通過だけを購入することもできる。通貨によって芸能人「サポート(広告の掲示、コーヒーカーなどのための募金)」に参加でき、コンテンツを照会してダウンロードする時にも使用することができる。通貨によるさまざまな課金サービスを用意しているということだ。

ファンミーティング、ファンサイン会のチケットなどに応募できる「応募券」も発行し、KLPAでのみ購入できる。KLAPを集めるためにはプラットフォームが提示する「ミッション」を遂行するか「パッケージ」を購入しなければならない。

これに対し、大学生Aさん(21)は「応募券はKLAPでのみ買うことができるが、KLAPだけをストアで別途買うことはできない。LOVEとKLAPを無条件にセットで買うことになっている。応募券をお金で買うには無条件に二つの通貨をどちらも購入しなければならない点が少しずるい」と批判する。

こうした指摘に対し、Universe関係者は次のように釈明する。

「KLAPは無料通貨であってミッションに対する報酬として支給する。プラットフォーム内でたくさん活動できるように面白い要素を入れたものであり、インアプリ決済をし続けなければならないという煩わしさもあった。『ゲーミフィケーション』(ゲームではない分野にゲームの要素を融合させること)の一環である」

「Weverse」アプリケーション©news1

◇「有料コミュニケーション」しないと疎外感

最近、ファンダム文化でよく使われる言葉「有料コミュニケーション」は、以前よりさらに「有料化」されたファンサービスの一面を見せている。ファンは有料コミュニケーションができることから、SNSなどを使った「無料」ファンサービスは以前より疎かになったと感じている。

会社員パク・ハジンさん(26)は「3人のbubbleを購読してみた。ファンと芸能人の交流が有料サービスに限定されるのは残念だ。芸能人の立場が理解できる」と話す。

有料で購読するファンに相応のサービスを提供するためには、有料コミュニケーションやプラットフォーム独占コンテンツにファンサービス比重を置かざるを得なくなったのだ。

ファンダム文化の特性上、ファンと芸能人のコミュニケーションだけではなく、ファン同士の相互作用も重要な要素だ。ファンダムプラットフォームでの「課金」は、オタ活のための「選択」でなく「必須」となった。

「芸能人は、ファンのほとんどが有料コミュニケーションをしていると仮定したうえで話をすることもある。(プライベートメッセージサービスを)使っていない人は疎外感を抱くこともあるだろう」

パクさんはこうつぶやいた。

(おわり)

「ファンダムプラットフォームの光と影」はnews1のナム・ヘイン記者が取材しました。

©news1

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