スターがメッセージを読まずに返信
韓流の熱狂的なファンは今、ファン集団(ファンダム)のプラットフォームからスマートフォンで、韓流スタートリアルタイムで会話をしてしています。韓国の「ファンダムプラットフォーム」はいったい、どのように運営されているのでしょうか。その光と影にスポットを当ててみました。(シリーズ1/4)
「ファンダム文化をちゃんと楽しみたいなら、消費しなければならない。そうしないと疎外感を抱くこともある」
大学生Aさん(25)はこんな感想を抱く。Aさんは、韓国芸能事務所大手HYBE(ハイブ)のファンダムプラットフォーム「Weverse(ウィバース)」を利用するファンの1人だ。そして、次のような批判を繰り広げた。「ファンダムプラットフォームは『課金』の集合体だ」
ファンダム文化でも、今やオンライン「課金」をする時代がやってきた。アルバムやグッズ商品、コンサートチケットの購入がすべてだったファンダム消費が、プラットフォームの登場によってその範囲をオンラインコンテンツにまで広げた。
ファンダムプラットフォームは、ファンと芸能人のコミュニケーション窓口であり、「オタ活(特定の分野を好きでのめり込む行為)」のための商品、サービスを販売する空間になった。
毎月、費用を支払えば利用できる「サブスクリプション型」の独占コンテンツで「ファンの心」を誘惑している。
ファンダム文化の新しい場に位置づけられ、エンターテイメント事業の主要収益モデルとして登場した。
◇「ファンカフェは昔の言葉」
「プライベートメッセージ」は、ファンダムプラットファームの代表的なサブスクリプション型有料サービスだ。まるで芸能人とリアルタイムで1対1の会話をしているかのような経験を提供する。
ファンダムのメッセージを芸能人が一度に確認して返事を送れば、個人チャットルームにメッセージ形式で表示される――というものだ。芸能事務所大手SMエンターテイメントの「Lysn(リスン)」やNCソフトの「Universe(ユニバース)」などが運営中のサービスだ。
プライベートメッセージサービスは発売以来、根強い人気を得ている。
チャットアプリ「bubble(バブル)」を利用する受験生Bさん(20)は「私が送ったトークを芸能人が確認すれば、チャットルームの『1』が消える。本当に会話しているような気がする」と満足している。
Bubbleの運営会社「Dear U」によると、購読維持率が月90%という。それほど反響は大きい。
ファンコミュニティもファンダムプラットフォームの中に組み込まれた。
2019年6月にサービスを開始したHYBEの「Weverse」を筆頭に、NCソフトの「Universe」、SMエンターテイメントの「KWANGYA CLUB(クァンヤクラブ)」がオープンした。
従来のポータルサイトにおけるファンカフェや、所属事務所が運営してきた公式ウェブサイトが持っていた「掲示によって交流し、芸能人の日程を公示するコミュニティ機能」を、ファンダムプラットフォームに移行したのだ。「ファンダムプラットフォームなしにオタ活は難しい」という話が出てくるほど、ほとんどすべてのコンテンツや商品がプラットフォーム上にある。
WeverseやUniverseは有料メンバーシップ制度を導入し、会員限定で見ることができる独占コンテンツを運営している。ジャンルは映像、会報、ラジオ、音源、ショーケース、ファンミーティングなど多様だ。Universeは今年6月までに計6288つの「オリジナル」コンテンツを公開し、累計再生数は240万回を記録した。
Weverseは「ライブストリーミング」サービスを通じて有料オンラインコンサートを開いた。コンサートに参加できないファンがオンラインから鑑賞できるようにしたのだ。新型コロナウイルス感染が蔓延した一昨年、WeverseはBTSのオンラインライブ公演「BANG BANG CON The Live」を開催した。同時接続者数は75万人を記録するほど大きな反響を呼んだ。
ファンダム関連商品グッズやアルバム販売、公式ファンクラブ募集もプラットフォームで進められている。
(つづく)
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