2024 年 2月 27日 (火)
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[KWレポート] ソウルのレンタル自転車、成功の秘密 (3)

「自転車マニア」市長がグレードアップ

©MONEY TODAY

ソウル市民が、変わりゆくソウルの風景を選ぶとしたら? おそらくソウル市のシェアサイクル「タルンイ」を挙げる人が多いでしょう。大都市のソウルで通勤や日中の移動でもタクシーの代わりにタルンイに乗る人が増えています。ソウルにお目見えして6年。今も身近な交通手段として進化しているタルンイについてみてみよう。(最終回)

「私はタルンイのファンでもあります」。オ・セフン(呉世勲)ソウル市長が2021年10月22日、ソウル市中区世宗大路のソウル都市建築展示館前のタルンイレンタルショップを訪れた後、自身のフェイスブックにそう記した。オ市長は毎週末に自転車に乗るなど「自転車マニア」として知られている。現場でタルンイを利用する市民に会って改善点に関する意見を聞き、自分も直接タルンイに乗る。

現在運営中の「タルンイ」は3万7500台、貸出所は約2500カ所だ。ソウル市は2022年末までに6000台を追加導入し、計4万3500台に拡大して運営する計画だ。住民センターや警察署など、交通アクセスの良い公共用地を活用し、貸出所250カ所やスタンド3000カ所も、追加で設置することにした。

タルンイの運営効率性も高める。タルンイを利用率の低い貸出所から利用率の高いレンタルショップに移動する。また、ビッグデータ分析をもとにタルンイを配置し、利用需要が多い通勤時間帯の貸出所間の利用不均衡問題を解決し、現場整備も拡大することにした。

タルンイに関する政策立案への市民参加も推進する。「タルンイ」が多い貸出所から「タルンイ」が少ないところに返却すれば、「タルンイ」アプリで特典がもらえる案も検討されている。オ市長は「タルンイシーズン2で、シェアサイクルインフラの水準を向上させ、不便な点を全て調査して改善する」と強調した。

◇パリ・ロンドン・ニューヨーク自転車より人気

「タルンイ」はパリ、ロンドン、ニューヨークなど海外先進国のメトロポリスと比較し、成功裏に定着したと評価されている。

ソウル市などによれば、2021年10月30日時点で「タルンイ」はフランス・パリのヴェリブや英ロンドンのBCH、米ニューヨークのシティーバイクなど、世界主要都市での公共自転車運営台数を圧倒する。2022年までに「タルンイ」を6000台新規導入し、計4万3500台まで増やす計画だ。

タルンイの運営台数は、世界の公共自転車制度のうち、規模が大きく成功的に運営され、他国でモデルとされているパリのヴェリブより多い。2014年のタルンイモデル事業も、ヴェリブを参考にした。

パリが2007年に導入したヴェリブは、昨年基準で2万3600台を運営している。ロンドンのBCHは1万3600台(2017年)、ニューヨークのシティーバイク1万2000台(2018年)で、ソウルは他の都市と比べて多い。

シェアサイクル事業に困難を来し、廃止手続きをする国内の他の自治体とも比べても、好調だ。タルンイが成功した要因としては、便利な貸与・返却システムが挙げられる。地下鉄駅やバス停留所など、複合的な密集地域を中心に貸出所を大幅に拡大し、利用しやすい。

韓国行政安全省によれば、2019年末基準でシェアサイクルを運営している自治体は68カ所と、前年比11カ所減少した。水原(スウォン)市は2019年9月に、高陽(コヤン)市は2021年5月に赤字を理由にシェアサイクル事業を終了した。安山(アンサン)市も、サービスを2021年末までとすることを決めた。

民間企業が共有移動手段市場に参入する中、日増しに増える赤字までが重なった。自治体が関わる場合、安い料金を維持しなければならないが、修理費や施設運営費は毎年高くなるため、構造的な運営赤字は避けられない。

タルンイも公共性を考慮し、安い価格を維持しており、2020年末基準で100億ウォンの赤字となったものの、利用者増加や収入増加を地道に記録している。2018年9月の利用者数は100万人だったが、2021年5月には300万人を超えた。タルンイ関連収入は2020年の118億ウォンから2021年は140億ウォンに増加する見通しだ。

ソウル市の関係者は「安い料金、豊かな利用人口、きめ細かいインフラ構築などがタルンイの成長の背景だ」としたうえ「合理的な料金調整と広告の誘致で、適正水準の経済性を確保するのが課題だ」と述べた。

◇東西南北どこでも

「タルンイ」の利用環境改善には、道路の拡充など自転車インフラの拡大も欠かせない。ソウル市は自転車道路を拡充し、市全域をつなぐ自転車ネットワークを完成させる目標を立てている。

ソウル市が2021年10月30日に発表したところによれば、ソウル市内の自転車道路は現在の1258キロに加え、2025年までに176.48キロ拡充される見通しだ。計画が完了した場合、タルンイが発足する前の2011年に804キロだった自転車道路は約1.8倍に増える。

この計画では、都心から東西南北を断絶なく横切る自転車幹線道路網を整備する。今年、幹線道路は14.38キロ、生活圏道路は13.8キロ延長する。毎年道路を延長し、2025年までにそれぞれ75.58キロ、59.7キロを拡充する。

主要道路に沿って専用道路を完備したのに続き、千戸大路(チョンホデロ)、麻浦大路(マポデロ)などに自転車幹線道路の整備を推進する。幹線網を補う圏域別補助幹線網も拡大する。補助幹線道路は今年延長計画を立てており、2025年までに計41.2km拡充する。

すでに清渓川(チョンゲチョン)、中浪川(チュンランチョン)などを中心に自転車道路が整備された。昨年5月に開通した清渓川自転車道路は、都心から漢江まで続く自転車道路だ。今年6月には清渓川と貞陵川(チョンヌンチョン)を自転車橋で連結し、高麗(コリョ)大、誠信(ソンシン)女子大など北東圏を漢江までつなぐ自転車道路を整備する予定だ。

(おわり)

「ソウルのレンタル自転車、成功の秘密」はMONEY TODAYのカン・ジュホン、キ・ソンフンの両記者が取材しました。

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