2024 年 7月 27日 (土)
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[KWレポート] ひきこもりを選んだ若者たち (4)

ニートをめぐる各国の試行錯誤

韓国青少年政策研究院(Daumよりキャプチャー)©KOREA WAVE

韓国で今、就職難や家庭不和、いじめなど多様な理由で、部屋のドアを閉ざしてしまういわゆる「隠遁型一人ぼっち」(ひきこもりを表す韓国語)が増えています。実情を探りました。(最終回)

教育・訓練に参加せず就職もしていないニート(NEET=Not in Education、Employment or Training)は世界的な現象だ。若者の雇用状況が悪化し、各国でニートが着実に増加している。ニートが悪化すれば、ひきこもりにつながる場合が多い。

各国で、教育水準・性別ごとにニートが発生している。

特に教育水準が低い若者は、労働市場で高い教育水準と能力が求められることから働き口を探すのが難しく、ニート状態になる可能性が高いとみられるのだ。

◇米国は「断絶青年」支援

各国はニートに対する総合的な実態を把握し、ひきこもりにならないようにするため早期介入する政策を実施している。

韓国青少年政策研究院の「青年核心政策対象別実態および支援方案研究Ⅰ報告書」によると、日本では現在、6カ月以上、家庭にとどまり続けていれば「ひきこもり」と判断される。厚生労働省がひきこもり問題の深刻性を認識したうえで、2019年の実態調査を通じて、ひきこもりの評価・支援に関するガイドラインを設け、これらを定義した。

各省庁で進路教育を活性化するための政策を推進している。ニートやひきこもりのために、各地方自治体が2006年から地域若者サポートステーションと、ひきこもり地域支援センターを運営している。

地域若者サポートステーションでは▽相談員による個別相談▽職場に必要な基礎能力や知識習得▽保護者を対象としたセミナー――などを実施している。ひきこもり地域支援センターは、ひきこもりの人に対し、相談、生活、医療、福祉、教育、就労支援等を実施する。

米国はニートの代わりに社会と断絶した「断絶青年」を支援している。

「断絶青年」とは、16~24歳対象の青年層で、1年以上教育を受けなかったり、1年以上求職活動をしなかったりして、経済活動に関わっていない人を指す。

米国は「断絶青年のための成果同伴モデル事業」を整備し、断絶青年層が教育を通じて再び、労働市場に復帰するプログラムを重点的に進めている。

◇社会からの排除を防ぐ

ドイツの青年ニート政策は「教育連鎖」プログラムが中心だ。

ニート問題を解決する案として、青少年が職業養成訓練を成功させることが重要だとしている。このプログラムは学生たちが早期に、体系的に仕事探しができるように個人オーダーメード型で支援する。このため、潜在力分析、仕事探しプログラム、職業選択パス、養成訓練同伴支援などを実施する。

フィンランドは25歳未満の青年か、最近卒業した30歳未満の青年を対象としている。失業して3カ月以内に、職場、学習空間やワークショップ、リハビリ期間を提供する。青年が社会から排除されるのを防止するため、雇用・教育保障、青年スキルプログラム、青年ワークショップなどが施される。

(おわり)

「ひきこもりを選んだ若者たち」はMONEYTODAYのキム・ジヒョン、キ・ソンフンの両記者が取材しました。

©MONEYTODAY

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