2024 年 3月 4日 (月)
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[KWレポート] いくら良くても美しくなければ売れない…世界はデザイン戦争中(3)

勲章は結果ではなくスタート

2019年に独フランクフルトのモーターショーで、新車とともに写真撮影する現代自動車のイ・サンヨプ専務(左から2番目)/写真提供=現代自動車©MONEY TODAY

競争力はデザイン。たとえ性能が抜群でも、美しくなければ売れない――。AppleのiPhoneも始まりはデザインでした。「デザイン強国」への道のりで試行錯誤する韓国企業の姿を探りました。(最終回)

昨年11月18日、米ロサンゼルスオートショー。韓国・現代自動車の電動SUV(多目的スポーツ車)コンセプトカー(展示目的で製作の自動車)の「SEVEN」が次のように紹介された。

「『SEVEN』は電動化時代にSUVの進むべき方向を示している。空気力学的なデザインに、SUVならではの強靭なイメージを具体的に示している。乗る人に配慮した室内空間は、家族のための生活空間として、新たな地平を開くでしょう」

その翌日に開幕した中国南部・広州国際モーターショーでは、現代自動車は「ジェネシス」のSUV「GV70」電動化モデルを初めて公開した。

「GV70のデザインは、単なる新しいSUVモデルではなく、新たな分野を開拓する『ジェネシス』ならではのデザインを示しています」

米中両国で紹介された電気自動車モデルのブランドデザインの方向性は、同社デザイン担当のイ・サンヨプ(李相燁)専務が打ち出したものだ。

イ専務は2016年、現代自動車にスカウトされた。それから毎年、主要モーターショーを通じてコンセプトカーを披露し、ブランドのビジョンや志向性について説明を重ねてきた。代表的なのが、ブランド初の電気自動車(EV)コンセプトカー「45」と「プロフェシー(Prophecy)」、水素燃料電池で動く大型トラックコンセプトカー「ネプチューン(Neptune)」だ。

「45」は昨年、「アイオニック5(IONIQ 5)」として発売され、ブームとなった。「プロフェシー」は来年発売予定の「アイオニック6(IONIQ 6)」のコンセプトカーだ。

今回ベールを脱いだ「SEVEN」も電気自動車統合ブランドのアイオニックシリーズ3番目のモデル「アイオニック7(IONIQ 7)」のコンセプトカー。今年3月末に突如公開された、EVのグランツーリスモ(GT)コンセプトカー「ジェネシスX」も同じだ。

イ専務は次のように解説する。

「ブランド独自のデザインの方向性である『躍動的な優雅さ』(Athletic Elegance)の精粋を見せている。今後のブランドに盛り込まれる先端のデザインと技術を披露する車両だ」

現代自動車のイ・サンヨプ専務が第23回大韓民国デザイン大賞授賞式で銀塔産業勲章を受け、記念撮影に臨む/写真提供=現代自動車©news1

イ専務が手掛けるデザインの競争力は、相次いでグローバルの受賞につながり、ブランド価値を高めてきた。

「プロフェシー」は世界3大デザイン賞に挙げられる「レッド・ドット・デザイン賞」で2020年、韓国車ブランドとしては初めて最優秀賞を受賞した。「45」と「ネプチューン」にも栄誉を与えられ、特に「45」は同じく世界3大デザイン賞の「iF」と「IDEA」でもデザイン賞を獲るという快挙を成し遂げた。

またデザインを主導した現代自動車「ペッリセイド(PALISADE)」「ネッソ(NEXO)」「ジェネシスG90」「G70」、コンセプトカー「エッセンティア(Essentia)」はもちろん、現代車グループのウェアラブル・ロボット「VEX」、超高速充電ブランド「E-pit」などもグローバル・デザイン大会で相次いで賞を受けた。

このように現代自動車とジェネシスデザインを通じて韓国の産業デザインのレベルを一段と高めた功労が認められ、イ専務は昨年10月6日、産業通商資源省主催、韓国デザイン振興院主管の「第23回大韓民国デザイン大賞」で個人部門の最高栄誉である銀塔産業勲章を受賞した。

大韓民国デザイン大賞とは、韓国のデザイン産業の発展、デザイン経営を通じた国家の競争力強化に貢献した個人や企業、団体をたたえる制度だ。

イ専務は現代自動車に合流する前、約20年間、ゼネラルモーターズ(GM)やフォルクスワーゲン、アウディ、ベントレーなど、世界的な自動車ブランドでデザイン経験を積み、実力を立証してきた。

「デザインを通じ、韓国を代表する大衆ブランドの現代自動車と、ラグジュアリー・ブランド『ジェネシス』の名声を高めるための旅を続けていく。勲章は結果ではなくスタートだ。グローバル市場を持続的にリードできるブランドコンテンツを作るため、さらに謙虚に努力したい」

これがイ専務の抱負だ。

(おわり)

「いくら良くても美しくなければ売れない」はMONEY TODAYのチェ・ウヨン、チェ・ソクファンの両記者が取材しました。

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