2024 年 4月 18日 (木)
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[KWレポート] 「星1つ」は本当にまずいのか…食べて確かめた (2)

「★」避けるノウハウ「ただお客様に尽くすのみ」

Bカフェの焼き菓子デザートとアメリカーノ©MONEYTODAY

韓国の飲食店につけられるレビューに疑問の声が上がっています。「腐った味がする」「テーブルがベタベタしてる」などの文章とともに、「星1つ(★)」という評価を突きつけられ、戸惑う店主が少なくありません。こうした「★」評価は妥当なものなのか――記者が自ら出向き、確かめてみました。(シリーズ2/4)

◇「デザート、腐った味」

Bカフェの焼き菓子デザート。そのレビューには次のように記されてある。

「焼き菓子はあまりにも人工的に作られた味がして〇〇〇(既製品菓子)を食べているようでした。ただ、ただ、最悪です。今もお腹の調子が悪くて活命水(消化剤)を飲みました」(★)

「デザートが腐った味がします」(★)

「コーヒーはかなり焦げた味がします」(★)

早速、訪ねてみた――。

夏の夕立が突然降り出し、店には少し雨に濡れたまま入った。

エプロン姿の男性店員(シェフ)が記者を出迎えた。

ガラス製のショーケースの中には、たくさんのデザートが整然と置かれてあった。店内で調理中なのか、香ばしい焼き菓子の香りが広がっていた。

「★メニュー」としてレビューで非難された、かの焼き菓子デザート、それにコーヒーを注文した。

しばらくすると、それが目の前に運ばれてきた。

味見をしてみる。

生地の中に入っているクリームは、甘すぎず、軽やかで、なめらかだった。

デザートの表面の生地はパリッとしていて、内側は幾層にも重ねられていて、噛みごたえのある食感だった。

食材本来の、自然な味も感じられた。

コーヒーは、平凡なアメリカーノだった。

特別な味わいがあるわけではないが、焦げた味ではなかった。しいて言えば、「バランスの取れた味」だろう。

Bカフェの店主に話を聞いてみた。

「レビューを定期的に見ますね。良くないコメントが書き込まれると、数日間はつらくなるし、残念ですね。ただ、そう思う人がいるというのは理解できますね」

かつてデリバリーアプリでBカフェに初めて「★」が付いた。しかし、具体的な内容が一切記されていない。

「なぜこんな評価になったのか……。商品も特別、おかしな点はない。包装もしっかりした。でも、たった1つのこの『★』だけで、店の平均星数が一気に落ちていった。これがものすごいストレスになった」

「腐った味がする」というレビューも、店主は知っていた。これについては「ラズベリークリームが入っている焼き菓子のデザートだから」だと説明した。

腐ったものでもない。何ら異常があるわけではない。だが、その商品は、取り下げた。「誤解を与えかねないものを、わざわざ作る必要はない」と判断したという。

C中華料理店の麻婆豆腐ご飯©MONEYTODAY

◇「テーブルがベタベタ」

C中華料理店には、次のようなコメントとともに「★」レビューがつけられていた。

「本当にテーブルがベタベタする。食器の衛生もイマイチ」(★)

「麻婆豆腐とご飯を頼んだが、ご飯の量が、お茶碗1杯もない量だった」(★)

店に入る。店員が食べ物のカートを忙しく走らせ、「はい」「ただいま、おうかがいします」と大きく叫んだ。

席に座るやいなや、確認したいことがあった。「テーブルがべたついている」というレビューの確認だった。

木のテーブルだった。触ってみる。確かに、真ん中の正方形の部分で、やや「べたついた」感触があった。しかし、そのべたつきの正体が、ほどなくして単に「素材の感触」だったことが判明した。

店員がテーブルをしっかりと拭いたのを見届けてから、改めてテーブルを触ってみる。やはり、同様の感触だった。さらに、自ら水をつけ、改めて拭いてみたりもした。やはり、素材そのものの感触であり、清潔であるかどうかとは無関係だった。

注文した麻婆豆腐ご飯もすぐに出てきた。右に麻婆豆腐、左にご飯が置かれていた。いくら少なく見積もっても、お茶碗1杯に満たない量というのは明らかに違った。

味も悪くなく、麻婆豆腐も食べ応えがあった。卵スープもさっぱりしていた。

「不親切」という評価だったが、レジの店主と私を対応してくれた2人の店員は、決してそんなことはなかった。

C中華料理店の店主に、今回の件について尋ねてみる。すると「レビューを見ると、非常にストレスを感じるので見ません」と首を横に振った。

以前はデリバリーも手掛けていたが、誹謗中傷に幾度となく悩まされ、その後、やらなくなったという。

店主はこんなことを言っていた。

「★」にならないためのノウハウは、ただお客様に尽くすのみ、だという。

そういえば、店主は記者のインタビューの間にも、目の前を過ぎる客1人1人に向かって「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と繰り返し、叫んでいた。

(つづく)

©MONEYTODAY

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