2025 年 4月 14日 (月)
ホーム経済流通KFCに続きノランチキンも売却へ…韓国のチキンフランチャイズにM&A旋風

KFCに続きノランチキンも売却へ…韓国のチキンフランチャイズにM&A旋風

2023年10月5日、ソウル市江南区COEXで開催された「IFSフランチャイズ創業博覧会」(c)news1

韓国のチキンフランチャイズ業界にM&A(企業買収・合併)の波が押し寄せている。私募ファンド(PEF)各社が投資回収の“適期”と見て売却に乗り出し、KFCやノランチキンなど主要ブランドが相次いで市場に登場している。

業界関係者によると、クロスボーダー投資会社「オーケストラ・プライベート・エクイティ」は最近、KFCコリアの売却手続きに着手。「サミル会計法人」を売却主幹事に選定し、保有するKFCコリアの全株式(100%)の売却を進めている。

オーケストラPEは2023年初頭、KGグループから約1000億ウォンでKFCコリアを買収。店舗構造の再編や固定費削減、配達チャネルへの最適化などを通じて収益改善に努めた結果、2024年には売り上げ2923億ウォン、営業利益164億ウォンを記録し、前年比でそれぞれ18%、469%の大幅増となった。

これを背景に、売却価格として3000億~4000億ウォンを提示しているとの見方も出ており、最大で約3倍の収益を上げる可能性がある。ただし、KFC側はこの売却報道に対して公式コメントを出していない。

一方、ノランチキンを運営するノランフードも昨年から新たな買い手探しを本格化させている。筆頭株主である「Q CAPITAL PARTNERS」や「CORSTONE ASIA」は、会計法人「サムジョンKPMG」を売却アドバイザーに選定し、売却交渉を進めている。希望売却価格は約2000億ウォンとされる。

ノランフードはこれまでに「ザ・ボーン・コリア」と接触し、売却に向け協議したが、取引には至らなかった。「ザ・ボーン・コリア」は「資料は受け取ったが、協議は進展せず、買収意思はない」と明言している。

こうした一連の動きは、物価高・高金利が長期化するなか、外食業界の先行き不透明感が増す現状で、PEファンドが「今が出口戦略の好機」と判断したためとみられる。

ただし、景気低迷で外食需要が冷え込む中、実際の売却は容易ではないという声もある。ある業界関係者は「投資家たちがM&Aに対して慎重になっているのは確かだ。一定の店舗網とブランド認知度を備えたフランチャイズは依然として魅力的な買収対象になり得る」と語った。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular