韓国政府と国内防衛産業企業が、K9自走砲のベトナム初導入に向けた最終交渉を進めていることがわかった。K9の製造元であるハンファエアロスペースと防衛産業当局によると、韓国とベトナムはK9自走砲20~30門の輸出契約について協議を進めており、契約規模は約3億ドルに達する見込みだ。
K9自走砲は世界の自走砲市場でトップシェアを占める韓国の代表的な武器で、2001年にトルコへの輸出を手始めに、これまで累計約13兆ウォンの輸出実績を誇る。現在の運用国は、韓国を含む10カ国(オーストラリア、エジプト、インド、ノルウェー、エストニア、トルコ、ポーランド、フィンランド、ルーマニア)。
ベトナムへの輸出が実現すれば、これまで東欧・北欧を中心に形成されていた「K9ベルト」がアジアに拡大し、東南アジア市場でのさらなる成長の足掛かりとなる可能性がある。ベトナムは、韓国から退役哨戒艦を無償提供された経験はあるが、本格的な武器取引は今回が初めてとなる。中国との領土問題を背景に、ベトナムは陸軍の戦力近代化を急務としている。
韓国はK9の優れた技術に加え、運用・整備支援を含む全サイクルでのサポートが可能であり、輸出先国にとって大きな魅力となっている。昨年11月には韓国陸軍が3週間にわたりベトナム兵士にK9自走砲の運用方法を指導した実績もある。
K9の製造元であるハンファエアロスペースは、今年から国産エンジンを搭載したK9の量産を開始する。
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