
韓国の食品企業が、K-フードの次なる成長エンジンとして「ソース」に注目している。完成品よりも応用性が高く、輸送効率にも優れており、異文化との融合も容易である点が理由だ。
ソースは小さな容積で常温流通が可能なため、冷蔵・冷凍輸送に比べて効率的という。この利点から、三養食品や農心、大象など関連企業がさまざまなソース製品を展開し、競争を繰り広げている。
業界関係者は「最近人気の高い餃子の場合、冷凍製品として輸出しなければならず、輸送に課題がある。ソースは完成品に比べて賞味期限が長く、輸送が容易という強みがある」とみる。
さらに、さまざまな料理に応用できる点も魅力だ。誰でも好みに応じて料理に加えることができ、韓国料理に限らず他国の料理にも混ぜられるため、参入障壁が低く、アクセスしやすい。
三養食品は「ブルダック炒め麺」の人気に乗って「ブルダックソース」を発売し、続けて「ブルダックマヨ」や「カルボブルダックソース」などブランドを拡張してきた。こうした知名度を背景に、先月にはアメリカの有名音楽フェスティバル「コーチェラ」と公式パートナーシップを結び、現地で体験ブースも運営した。
農心も自社製品「チャパゲティ」や「ペホンドン」を活用したソース製品を発売し、日本などに輸出している。企業関係者は「今後もソース製品群は継続的に展開する予定で、海外での需要が高い点に注目している」と説明した。
外食ブランドや現地の韓国料理店を通じてB2B領域への事業拡大が可能な点も注目されている。実際、バーガーキング・インドネシアは韓国風の辛味ソースやおでん、トッポッキソースを活用した「ブラック釜山バーガー」を発売し、マクドナルド・シンガポールではカルビ風味を取り入れた「ソウルスパイシーバーガー」を期間限定で販売するなど、海外企業からの需要も見られる。
ペク・ジョンウォン代表率いる「ザ・ボーン・コリア」は、ドイツの大手流通業者からビビンバブランドとメニュー開発の依頼を受け、6月の発売を控えている。ペク代表は先月の記者懇談会で「K-フードの人気で韓国料理メニューを扱いたいという海外の飲食店のニーズが高いと判断した。韓国料理の調理ノウハウを持たない店に対して、ソースを戦略的に輸出する計画もある」と明かした。
こうした背景から、ソースの輸出額は年々増加傾向にある。韓国貿易統計振興院が今年3月に発表した資料によると、昨年のソースを含む調味料の輸出額は6億5200万ドルで、2020年比で21.4%増加した。
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