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韓国の大手化粧品企業アモーレパシフィックとLG生活健康が、数年間の業績低迷を脱し、昨年反転の兆しを見せた。特に、両社の主力である化粧品部門の業績改善が顕著だ。
アモーレパシフィックグループの昨年の売上高は4兆2599億ウォン、営業利益は2493億ウォンに達し、前年同期比で売上高は5.9%、営業利益は64.0%増加した。主力子会社であるアモーレパシフィック単体の売上高は3兆8851億ウォンで前年より5.7%増加し、営業利益は2205億ウォンと103.8%の大幅増となった。
一方、LG生活健康の昨年の売上高は6兆8119億ウォンで前年から0.1%の微増にとどまったが、営業利益は4590億ウォンと5.7%減少した。これは飲料部門における人員削減などの事業効率化関連の一時的な費用が影響した結果だ。
両社ともに海外事業の成長が売上高と営業利益の回復を牽引した。アモーレパシフィックグループは欧米市場を中心に海外事業で爆発的な成長を遂げ、グローバルリバランシング戦略の成果として、年間ベースで初めて米州地域の売上が中華圏を上回った。アモーレパシフィックの国内事業の売り上げは2兆1570億ウォンで前年より2.4%減少したが、海外事業の売り上げは1兆6789億ウォンで20.6%増加し、営業利益は1042億ウォンで黒字転換を果たした。
LG生活健康の化粧品部門の年間売り上げは2兆8506億ウォン、営業利益は1582億ウォンで、それぞれ1.2%、8.0%増加した。同社は「中国、北米、日本などの海外事業が好調だった」とし、「中国では『ザ・フー(The History of Whoo)』がラグジュアリーブランドとしての地位を強化し、北米と日本市場では「ザ・フェイスショップ(The Face Shop)」「ビリーフ(belif)」「CNP」など戦略ブランドの売り上げが拡大した」と説明している。
中国の「独身の日」、米アマゾン「ブラックフライデー」、日本のQoo10「メガセール」など、海外の主要オンラインイベントに合わせたマーケティング投資が増加したものの、全体的な売り上げが拡大したことで営業利益も改善した。
両社の業績改善の背景には、これまで中国市場に依存していた海外市場ポートフォリオを多様化したことが大きい。海外市場の再構築、いわゆる「グローバルリバランシング」戦略が功を奏した格好だ。
アモーレパシフィックとLG生活健康は今後も海外市場の多様化とグローバルブランドの育成に注力する方針だ。アモーレパシフィックは健全な売り上げ成長と収益性の確保のため、「ブランド競争力の強化」「グローバルリバランシングの加速」「チャネル対応力の強化」「未来成長への準備」といった戦略を推進する。
特に、グローバルリバランシングを加速させるため、日本、米国、欧州、インド、中東を主要戦略市場として重点的に育成し、中国市場の構造的正常化も進める。また、人工知能(AI)などのデジタル技術を活用した顧客サービスの革新や業務生産性の向上を通じて、未来成長の基盤も固める。
LG生活健康も同様に、イ・ジョンエ社長が今年の新年辞で明らかにしたように、グローバル事業の再構築に集中する。AIを積極的に活用し、デジタルコマースとマーケティング能力を強化するほか、外部のデジタルソリューション企業と協力して融合製品の開発も進める。
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