世界最大のEC企業であるアマゾン(Amazon)で人気を博しているK-ビューティブランドの特徴は、韓国内よりも海外で評判を得ている製品が多い点だ。これは、国内よりも海外市場にマーケティングを集中させる企業が増加していることによる現象である。
アマゾンによると、先月16~17日に実施されたアマゾン内のセールイベント「2024プライムデー」で、韓国の美容関連企業の売り上げは前年同期比で2.2倍に増加した。アマゾン側は正確な売り上げ規模を明らかにしていないが、韓国の化粧品ブランドの健闘により、アマゾンは過去最大の成果を記録した。
今回のアマゾンセールで人気を博した韓国の化粧品ブランドは、ほとんどが中小のビューティブランドだった。アマゾンによれば、「バイオダンス(Biodance)」のマスクパックや「アヌア(Anua)」のクレンジングオイルが米国のストアでベストセラーに輝いた。これらのブランドは、韓国内では比較的知名度が低いが、米国をはじめとする海外市場で高い認知度を誇っている。
韓国のドラッグストアチェーン、オリーブヤングが運営する海外専用サイト「グローバルモール」でも同様の傾向が見られる。ビューティボックスのように複数の商品をまとめて販売する商品以外では、トップ5の大部分を中小のインディーブランドが占めている。たとえば、フイ(Fwee)のリップ&チーク、バイオダンスのマスクシート、スキンエンジェル(Skin Angel)のサンセラム、ラウンドラボ(Round Lab)のサンクリームなどだ。これらのブランドも、韓国国内よりも海外で有名であり、特に米国では「チョソンミョニョ(朝鮮美人)」という製品が国民的サンクリームとして地位を確立してから、韓国国内よりも海外で知られるブランドが次々と誕生している。
これらのブランドは、韓国の化粧品製造業者の優れた技術力をもとに製品を開発し、海外のSNSなどを活用してマーケティングに成功し、世界中のプラットフォームで注目を集めている。韓国の化粧品製造会社であるコスメカコリア(Cosmax Korea)の売れ筋商品にもアヌアのクレンジングオイルが浮上するほど、韓国の化粧品製造業者は海外市場で業績を上げている。
最近では、新興ブランドが海外進出の手段として活用しているのが「ダイソー」だ。ダイソーは、韓国を訪れる外国人にとって必須のショッピングスポットであり、そこで有名な製品が海外でもリセール(再販売)され、現地の流通業者からの入店要請が続いている。このため、最近の新興ビューティブランドの成功パターンも変化している。まず韓国でダイソーなどを通じて一定の知名度を築いた後、海外で本格的にマーケティングを展開するという手法だ。現在、海外ではKビューティの需要が高く、SNSを通じて少ないコストでも国内より高いマーケティング効果を得られるためだ。国内では知名度が低くても、海外で人気を博す製品が続々と登場している理由もこれに関連している。
ある美容業界の関係者は、「国内で1億ウォン(約950万円)のマーケティング費用を投入して5億ウォン(約4750万円)の売り上げが出ても、国内市場の限界から、それ以上のマーケティング効果を得るのは難しい」と語る。「そのため、国内で一定の知名度を築いた後、海外市場を本格的な舞台としてマーケティングを展開するケースが増えている」と説明している。
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