韓国の美容業界で、海外サプライチェーンの多角化を進めた企業が好成績を収めている。特に米国が日本に続きK-ビューティの主要市場に成長し、東南アジアでのインディーブランド人気も加わり、OEM(受託製造)やODM(製造開発)企業の売り上げが増加傾向にある。
今年1~3四半期の化粧品輸出額は前年同期比18.3%増の74億1216万ドル(約1兆1397億円)で、特に米国市場での成長が目立つ。米国への輸出額は前年比63%増加し、化粧品輸出全体の19%を占めた。また、日本も23%増の7億4200万ドル(約1140億円)を記録し、K-ビューティの需要が拡大している。
◇コスモックスと韓国コルマの好調な成績
韓国最大のOEM企業コスモックスの3四半期実績では、米国への直接輸出が約47%増加し、インドネシアやタイなど東南アジア主要国でもそれぞれ約104%、115%増加した。コスモックスは米国西海岸に新たな拠点を開設し、現地のインディーブランドを中心に顧客基盤を広げ、積極的な営業活動でさらなる成長を目指す。
また、韓国コルマは3四半期の営業利益が前年同期比75.74%増加し、インディーブランド向けの受注増が売上と利益の拡大に寄与したと発表した。
◇インディーブランドの北米・日本市場での成功
インディーブランドの成長も著しく、特に米国市場で急成長している「アヌア」はAmazonの「トップブランド」に選ばれ、Amazonプライムのセールで大幅な売り上げ増を達成。また、化粧品ブランド「マニョゴンジャン」は、米国での売上が前年同期比4倍に増加し、コストコとの提携を進め、米国とカナダでの展開を加速させている。
◇アモーレパシフィック、脱中国で利益160%増
韓国の主要化粧品企業「アモーレパシフィック」は、中国市場への依存度を減らし、北米、欧州、中東地域を中心に売上を拡大する「グローバル・リバランシング」戦略が功を奏し、営業利益が160%増加した。一方、中国市場依存が高いLG生活健康や愛敬(エギョン)産業の業績はそれぞれ17.4%、48.0%減少した。
業界関係者は、「北米市場でインディーブランドが躍進し、基礎化粧品からクレンジングまで各カテゴリーで成長している。これが国内の化粧品業界やODM企業の下半期業績にも反映されるだろう」と分析している。
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