2025 年 3月 24日 (月)
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K-セキュリティー、湾岸6カ国へ進出なるか…韓国政府、協力提案書を提出

(c)KOREA WAVE

韓国科学技術情報通信省は13日、韓国インターネット振興院(KISA)および韓国情報保護産業協会(KISIA)と共に、国内情報セキュリティー企業の中東地域への輸出支援を強化するため「K-デジタル官民合同輸出開拓団」をサウジアラビアとカタールに派遣したと発表した。

サウジアラビアをはじめとする中東諸国は、韓国との首脳外交を通じて緊密な協力関係を維持しており、韓国の情報セキュリティー技術に対する信頼も高い。一方で、中東のセキュリティー市場は年平均10%以上の成長を遂げており、今後、大規模市場へと発展する可能性が高いと同省はみている。このような背景から、2025年の官民合同デジタル輸出開拓団の最初の派遣先として中東地域を選定したと説明した。

今回の輸出開拓団には、サウジアラビアで開催された国際技術展示会「LEAP 2025」の韓国共同館ブースに公募で選ばれた情報セキュリティー・物理セキュリティー企業9社を含む情報通信企業12社が参加した。「LEAP 2025」は、サウジアラビアで急成長しているグローバル・テクノロジーイベントで、2025年には約2100社が出展し、3万人以上の来場者があった。

同省は▽韓国企業とサウジアラビア現地パートナー企業とのビジネスミーティング▽カタール投資庁(QIA)向けの企業説明会――など、韓国企業の輸出拡大を積極的に支援する活動を進めた。また、サウジアラビアの公的機関向けセキュリティー製品の企画・納品を統括する国営企業「SITE」との会談を通じて、韓国企業がサウジアラビアの公共部門へ進出するための基盤を構築する成果を得たと説明した。

また、サウジアラビア国立住宅公社(NHC)と合弁会社を設立するなど、中東進出を加速している「ネイバー」も輸出開拓団に参加。LEAP 2025を機に現地で韓国企業と業務協定を結び▽中東市場への進出に関する情報共有▽ビジネスネットワーク拡大――などの相互協力を進めていく方針を明らかにした。

同省は今回の活動と並行して、湾岸協力会議(GCC)事務総長に対し、韓国の情報セキュリティー人材育成モデルの中東展開を提案する協力提案書を提出した。

GCCはサウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンの6カ国が1981年に結成した地域協力機構で、政治や安全保障、経済、社会分野での連携を目的としている。

今回提出された協力提案書には、韓国がASEAN(東南アジア諸国連合)協力基金を活用して運営している「ASEAN Cyber Shield(ACS)」モデルを中東にも拡大する計画が含まれている。具体的には▽GCC基金を活用した「K-情報セキュリティー人材育成モデル」の構築▽ハッキング防御大会や相互の人材交流の推進▽韓国と中東の情報セキュリティー業界の定期的な交流と協力――といった内容が盛り込まれている。

GCCのブダイウィ事務総長は、韓国からの提案に感謝の意を表し「今後、GCC加盟6カ国の事務総長とともに、提案内容を積極的に検討する」との立場を示した。

同省は、今回の提案を通じて「K-セキュリティー」モデルの中東展開を推進し、韓国企業の海外市場進出がより容易になる基盤を整えることができると期待を示した。また、今回のイベントでは、約600件、総額163万ドル(約2億5114万円)以上の商談があり、複数の中東バイヤーとのパートナーシップ契約が成立するなど、一定の成果を収めた。これらの成果が今後の実際の輸出につながる重要な土台となるため、同省は展示会後のフォローアップ支援にも注力するとしている。

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