
韓国コスメを海外に輸出する流通企業「シリコンツー(Silicon Two)」が、Kビューティー第2の黄金期をけん引する主役として再注目されている。フランス・イギリスなど欧州市場でのオフライン拠点を拡充しながら、米国・欧州を中心とした現地販売網の構築を本格化している。
2000年代初頭、Kビューティーは中国市場の爆発的需要により第1次ブームを迎えたが、外交的摩擦や並行輸入問題により急速に勢いを失った。2020年代に入り再び火が付いたKビューティーは、米国を手始めに英国やフランス、さらには中東地域へと拡大しており、単一国ではなく複数地域にまたがる安定成長局面に入ったと評価されている。その成長の裏で存在感を強めたのが、Kビューティー専門流通企業シリコンツーだ。
シリコンツーは韓国のコスメブランドを海外に供給するグローバル流通会社だ。韓国をはじめ、米国・インドネシア・マレーシア・UAE・ポーランド・ベトナムなどに物流拠点を持ち、韓国コスメ専門の越境ECモール「StyleKorean.com」も運営している。
現在、約500ブランドを200以上の国と地域に卸・小売しておりSephoraやCostcoなどとも提携。コスメ製造を支える韓国コルマーやコスマックスが「生産」を担うのに対し、シリコンツーは「販路開拓」を担当する役割を果たしている。
昨年、キム・ソンウン代表は米Amazonでの人気に過信せず、欧州市場進出の必要性を強調していた。当時、多くの韓国企業が北米市場に注力する中、シリコンツーはフランス・イギリスに現地法人を設立し、ロンドン・パリで直営店を展開。その結果、今年の売上成長を牽引したのは米国ではなく欧州だった。
現在、米国(1店舗)、英国(2店舗)、フランス(1店舗)、インドネシア(2店舗)の計6店舗を展開しており、パリの直営店はKビューティーのテストベッドとして機能している。
シリコンツーは、オフラインでの接点拡大がKビューティーのグローバル成長を持続させる鍵だと見ており、店舗拡大に積極的だ。
オンラインでの製品紹介だけでなく、現地での体験・販売→SNSなどでの共有というサイクルを通じ、構造的なブランド成長を実現する戦略だ。
同社は今後もフロリダ(米国)・ミラノ(イタリア)などで新規出店を予定しており、市場の成長性・文化的成熟度・Kビューティー需要などを総合的に分析しながら、重点地域に投資を集中させる。
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