
Kビューティー(韓国発の美容・化粧品)人気が世界的に続く中、化粧品業界のM&A市場が再び活況を呈している。潤沢な資金力を持つ大手企業が、高い成長ポテンシャルを持つインディーズ(独立系)ブランドを中心に積極的な買収や出資を進めており、産業全体の体質改善と事業領域の拡大が同時に進行していると評価されている。
代表例が新世界インターナショナルだ。同社は2024年、若年層に絶大な人気を誇るヴィーガンビューティーブランド「AMUSE(アミューズ)」を買収。これにより、従来のプレミアム・ラグジュアリー層中心だったポートフォリオをヤングビューティー層まで一気に拡大した。アミューズは買収後、グローバル市場、特に日本や北米で売上を急成長させ、同社のビューティー事業を牽引する中核ブランドとして定着している。
アモーレパシフィックは、グローバルスキンケアブランド「COSRX(コスアールエックス)」の買収を通じて、北米および欧州市場での競争力を大幅に強化した。これまで課題とされていた中国市場への依存度を低下させ、海外売上の構造を多角化する上で決定的な役割を果たしたと分析されている。
LG生活健康も、メイクアップ分野の強化を狙い、人気ブランド「hince(ヒンス)」を運営するVIVAWAVE(ビバウェーブ)を買収した。MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の攻略と、日本市場での存在感拡大において着実な成果を上げている。
業界では、2026年も大手によるM&Aの動きは止まらないと見ている。自社での研究開発(R&D)に時間をかけるよりも、M&Aを通じて「不足しているラインナップの補完」「グローバル進出の加速」「デジタル・バイオ美容技術の確保」を同時に狙う戦略だ。実際にLG生活健康は、2026年1月の世界最大級のテクノロジー見本市「CES」でビューティーテック分野の革新賞を受賞するなど、技術融合に向けた投資を加速させている。
アモーレパシフィックやLG生活健康は、戦略的投資家(SI)としてスタートアップへの出資も並行しており、短期的な収益のみならず、中長期的な次世代ブランドの育成に重点を置いている。これはKビューティー・エコシステム全体の活性化に寄与し、グローバル市場での影響力をさらに強固にするものと期待されている。
業界関係者は「有望なライジングブランドが豊富な今こそ、M&Aの絶好のタイミングだ」とし、「大手企業の資本・物流網と、インディーズブランドの感性・トレンド力が生む相乗効果がKビューティーの次なる飛躍を左右するだろう」と展望している。
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