HPC41%、スマートフォン40%――半導体を受託生産するファウンドリーの世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)で今年第1四半期、HPCの占める売り上げの比率が再びスマホを超えたことがわかった。TSMCの実績発表日、半導体業界関係者は歴代最高を記録した営業利益ではなく、この比率の逆転に注目した。
ファウンドリーの成長原動力が、モバイル装置から高性能半導体に移りつつあり、これを象徴する出来事――こんな分析も出ている。
業界関係者によると、最近になってファウンドリー微細工程でHPCが占める部分が急速に成長しているという。
TSMCは今年第1四半期だけでHPC分野で72億ドルを売り上げたと明らかにした。これは昨年比で60%近く成長した数字だ。特にHPCがスマホを超えて最も大きな比率を占めたのは、半導体の超好況期だった2018年第2四半期以来だ。
TSMCの魏哲家・最高経営責任者(CEO)は「HPCなど高性能半導体需要がTSMCの売り上げを押し上げるだろう」と話している。
HPCの主な顧客は米国のインテルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、エンビディア(NVIDIA)など。
HPCがスマホの売り上げを超えたのは第一にスマホの需要減、第二にグローバルIT企業によるデータセンター投資の拡張が指摘される。
市場調査機関IDCによると、今年第1四半期のグローバルスマホの出荷量は3億1410万台で、昨年同期より8.9%減少した。一方、国際的な調査会社カウンターポイントリサーチは、クラウドサービス提供業者のデータセンターの設備投資は今年、前年比で23%増加すると推算している。
別の市場調査機関ガートナー(Gartner)も、2023年の世界クラウド市場を4820億ドルの規模と予想し、2025年には2倍近く成長した8375億ドルと見通した。
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