――10年間の感想を。
パク代表 思ったより早く過ぎた。ただ、時間は早く流れたが、人間にすると10歳ぐらいなので、まだまだ先が長い。
――大変な点は何か。
パク代表 計画通りにいくということはほとんどない。このことを常に考えながら続けていかざるを得ない、ということ自体が、最もつらいことだ。うまくいくと思っていても、ほとんどはうまくいかない。10あれば、うまくいくのは1~2程度。それを知らなかった。仮に知っていたとしても、そのプロセスはとてもしんどいものだっただろう。
――どのように克服したのか。
パク代表 大学入試やTOEICでは、10のうち9を正解し、1を間違えるという感じ。だが、事業は正反対だ。10のうち、たった一つさえ、形にならない例が一度や二度でない。大学を卒業するまでの間、われわれが習慣としてきた思考のシステムと、事業をする際のそれとはまったく異なる。まったく異なるゲームの法則が作用している。これを認知するまで時間がかかった。
――ユニコーンビルダーの意味は。
パク代表 カンパニービルダーという、新しい会社を作ることにこれまでは集中してきた。これからは小さな会社をただ作るだけでなく、少数精鋭でも大きな会社になるようにする。潜在力のあるところは大きく成長できるようにする。
――「FAST TRACK ASIA」というブランドの強みは。
パク代表 カンパニービルダーというアイデンティティを初めて提示し、「HELLO NATURE」や「FOODFLY」のような成功事例を作って、このような事業モデルが機能することを市場で立証した。「あそこで会社をつくれば潰れるケースはほとんどない」という認識が市場で定着したようだ。スタートアップ生態系に「FAST TRACK ASIAなら失敗の確率が低い」という印象を与えることができたと思う。
――投資を決定する際の原則とは。
パク代表 われわれは初期段階で投資するため、人(チーム)を見る。彼らがどのような市場に向かっていくかが重要だ。事業モデルは途中で変わっても構わないが、市場が変わる場合は多くない。どのような人々がどの市場に向かって事業をしているのか、この2つでほとんどの投資が決定される。
――LP(ファンド出資者)はどう集めるか。
パク代表 これまで100%民間出資者だけでファンドを構成してきた。おおかた、知り合いを通じてLPを募集する。民間だけなら投資もスピードが速く、自由度もより高いためだ。われわれが投資する会社にも、それは良い方法といえる。できるだけ長い間、このやり方を維持していきたい。
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