韓国自動車研究院は4日、「バッテリー電気自動車(BEV)の需要鈍化に伴う完成車メーカーの対応戦略」という報告書を発表した。それによると、電気自動車市場は2021年までの急成長を経て、経済成長の減速、価格負担、補助金縮小、インフラ不足などの影響で成長ペースが鈍化している。
一部のメーカーが生産目標を引き下げたものの、カーボンニュートラルの推進、企業の積極的な投資、充電インフラの改善などにより、BEVの販売量は中長期的に増加すると予想される。
日韓中を含む主要自動車メーカーは、BEV関連投資の拡大を続けている。特に中国では国内市場の減速と貿易障壁への対応として海外への直接・間接投資を強化。2022年のBEV輸出台数は158万台に達し、2020年の19万台から急増している。
日本ではトヨタが北米市場、ホンダが中国市場を狙った投資を拡大している。一方、韓国の現代自動車は長期的な販売目標を維持しつつ、東南アジア市場を中心にポートフォリオを多角化している。
欧州の自動車メーカーは、投資と協力を通じて市場での地位を強化。フォルクスワーゲンはメキシコ工場への投資を進める一方、米EVメーカー「リヴィアン」との協力を拡大。BMWは地域ごとに分散したバッテリー工場に投資し、メルセデス・ベンツは中国での投資を強化している。
これに対し、米国の自動車メーカーは短期的な収益性を重視している。GMやフォードはBEV生産計画を延期または目標を再調整しており、テスラも業績悪化を背景に投資計画を縮小し、新興市場での成長機会を模索している。
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