
バッテリー検査・診断を専門に手掛ける韓国の「ミンテック(MinTech)」が「EVバッテリー迅速診断システム」を発売する。
現在、電気自動車(EV)バッテリーの正確な状態を診断するには、車体からバッテリーパックを取り外し、数億ウォンにものぼる高価な充放電装置に接続する必要があった。短くても数時間、長ければ24時間以上かかり、数百万ウォンの費用が発生する。こうした理由から、EVの定期検査項目にバッテリー検査が含まれておらず、中古EV取引の活性化やバッテリー再利用市場の拡大を妨げる要因となっていた。また、整備業者もEVバッテリーの状態や安全性を検査する明確な手段を持たないのが現状だった。
ミンテックのEVバッテリー迅速診断システムは、車両からバッテリーパックを取り外すことなく、EVの高電圧端子部や急速充電口に接続する方式で、電気化学インピーダンス分光法(EIS)を用いてバッテリー内部の状態を測定し、バッテリーマネジメントシステム(BMS)データ分析と組み合わせることで、バッテリーの容量寿命(SOH)、充電状態(SOC)、出力状態(SOP)、バランス状態(SOB)などの主要な電気化学的状態と安全性を10分以内に診断できる。
ミンテックは「この迅速診断システムは過去10年間に蓄積したEISベースの独自のバッテリー分析技術と診断アルゴリズムを集約した製品だ」と説明している。
同社は、今回の迅速診断システムの発売がEV整備市場に大きな変化をもたらすと期待している。自動車の定期検査で、迅速かつ簡便にバッテリーの安全性検査ができるようになる。加えて、一般の整備業者でも随時バッテリーの状態を確認できるようになり、EVユーザーの利便性が大幅に向上するという。さらに、正確かつ迅速なバッテリー診断が可能になることで、中古EV取引の信頼性が高まり、使用済みバッテリーの再利用・リサイクルを含むEVバッテリーの循環型エコシステムの活性化にも貢献すると見込んでいる。
ミンテックのホン・ヨンジン代表は「真のイノベーションとは、市場が抱える課題を革新的な方法とコストで解決することだと考えている。ミンテックのEVバッテリー迅速診断システムは、こうした理念を反映し、EVバッテリー検査の方法に革新的なパラダイムを提示するだろう。この製品は、グローバルなEVバッテリー検査機器市場で広範な需要を生み出し、ミンテックの成長をけん引することが期待される」と表明している。
(c)KOREA WAVE