韓国の中堅財閥、CJグループが歴代最多の女性役員を輩出した。2022年の定期役員人事で昇進したのは11人で、今年昇進した役員総数(53人)の21%に当たる。能力さえあれば年齢も性別も関係なく抜擢するというイ・ジェヒョン(李在賢)会長の考えが反映された人事という評価が出ている。
◇CJで女性役員11人
女性役員11人の内訳は▽CJ第一製糖4人▽ドラッグストア最大手のCJオリーブヤング2人▽総合エンタメ企業のCJエンターテインメント(CJENM)3人▽持株会社のCJ株式会社2人となっている。
CJ第一製糖の新規役員は「CJ Foods R&G」センター長のナム・ギョンファ氏、食品SCM担当のチョン・ヒョンジュ氏、食品事業部門GSP(Global Business Planning)のシン・ユジン氏、「HNH Taste Solution」チーム長のキム・ブウォン氏。CJオリーブヤングは、グローバル事業部長のイ・ヨンア氏と戦略企画担当のホ・ジス氏。
CJENMはエンタメ部門で映画国内事業部長にシ・ヨンジェ氏、ティービングコンテンツ兼マーケティングリーダーにファン・へジョン氏が、コマース部門では戦略企画担当にキム・ジヒョンが、それぞれ昇進。CJ株式会社では▽未来経営研究院のキム・ウニョン氏▽未来経営研究院のク・ドンイン氏――の2人がともに専門役員の地位に就いた。
◇80年代生まれ
この中でも目を引くのは、CJ第一製糖のシン・ユジン氏だ。1983年生まれの38歳。2018年からCJ第一製糖の食品マーケティングのヘッバン(レトルトご飯)革新チーム、2020年にインスタント食品(HMR)事業Frozen Snackチーム長を経て、今年の初め、CJ第一製糖のマンドゥ(韓国式餃子)GSPリーダーに抜擢された。以後、グローバル市場でマンドゥ事業の成長を導いた成果を認められ、38歳の年齢で経営リーダー(役員)の地位に就くことになった。
グループではもう1人、若い女性役員が誕生した。CJ株式会社・未来経営研究院のク・ドンイン氏(38)は、今回の人事で30代の経営リーダー(専門役員)の地位に就くことになった。米ブラウン大で化学を専攻し、CJヘルスケア臨床2チーム製薬臨床研究員を経験した。2014年から同研究院研究員として医薬品開発製造受託事業(CDMO)を主導した功績が認められた。
CJグループでは女性が目立つようになった。CJ第一製糖の今年度第3四半期の事業報告書によると、全役員(99人)のうち、22人(22.2%)が女性だ。昨年末の国内上場企業の女性役員比率(4.6%)よりはるかに高い。国内最大の大企業であるサムスン電子よりも高い比率だ。
◇「能力第一」
CJENMで組織を率いることになるファン・へジョン氏(48)。2013年、CJ E&Mオンスタイル事業チーム長、2014~20年にCJ E&Mメディアコンテンツ運営局長(スタイル・映画)を歴任したエキスパートだ。ティービング・オリジナルコンテンツ・マーケティングと成長に貢献した功績が認められた。
CJグループ関係者は「若い人材や女性は、能力第一に抜擢しようとするグループ人事の方針によって登用されている。創意的で、柔軟な組織文化を構築する計画だ」と語った。
イ・ジェヒョン会長も近年、「2023中期ビジョン」を発表して「力量と意思さえあれば、年齢・年功・役職に関係なく、誰でもリーダーになることができ、新しい世代が枠を破り、新しい挑戦を思う存分できる文化を作りたい」と明らかにしている。
©news1