2025 年 6月 15日 (日)
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CHICOR vs オリーブヤング…韓国・新世界グループ、K-ビューティー市場に本格参入

「CHICOR」AK弘大店の店舗=新世界百貨店提供(c)news1

韓国国内で急成長を遂げているK-ビューティー市場において、流通大手が次々と化粧品事業に本格参入するなか、新世界グループがCJグループのオリーブヤングに対抗する形で競争に加わっている。

業界によると、新世界は今月末、化粧品セレクトショップ「CHICOR(シコル)」の新店舗をソウル・江南駅近くにオープンする。従来の3階建て江南店が賃貸契約満了により閉店したため、1階建ての約130坪(約429㎡)規模の新たな店舗として再スタートを切る形となる。

新世界グループでは、昨年からチョン・ユギョン会長が主導するかたちでビューティー事業に再び力を入れ始めており、CHICORもその一環として注力されている。同ブランドはもともとチョン会長自らが海外のセレクトショップに対抗するべく企画・立ち上げたもので、昨年には経営組織を営業本部から新世界百貨店のパク・ジュヒョン代表直轄へと改編した。

パク・ジュヒョン代表は年初の株主総会で「従来のラグジュアリー中心からK-ビューティーへ大きく舵を切り、事業改善と標準モデルの構築を進める」と述べ、今後の事業拡大への意欲を示していた。

CHICORは2017年の大邱店を手始めに全国で最大30店舗まで展開されたが、新型コロナ以降、収益性の悪化により一部店舗の閉鎖を余儀なくされた。今回の江南駅店を含めると現在の運営店舗は19店舗であり、今後は明洞第1号店や弘大エリアへの新規出店など、再び拡大方針を取る。

新世界側は「新店舗では5000点以上の商品を取り揃え、百貨店の取引網を活かして他のロードショップとは一線を画すブランド構成で展開する」としている。

一方、新世界グループではODM(相手先ブランドによる製造)への投資も検討している。現在、プライベート・エクイティのアセント・エクイティ・パートナーズが化粧品ODM企業「CNCインターナショナル」の投資ファンド調整に着手しており、グループとしての参入を協議しているという。

また新世界は、イーマートを通じてかつて「ストーンブリック(Stonebrick)」という自社ブランドを展開していたが、2021年に収益性を理由に撤退。しかし現在は、LG生活健康と提携して4000ウォン台の超低価格化粧品を独占的に展開し、イーマート内スキンケア売り上げが前年同月比66%増加するなど好調を見せている。

このような動きを受け、オリーブヤング側も技術投資を強化し、後発勢力への牽制を強めている。

ユーロモニターによると、韓国国内のビューティー市場規模は2023年に14兆5000億ウォン、2024年には17兆5000億ウォンに成長し、2025年には19兆2000億ウォンに達すると予測されている。

CHICORとオリーブヤングはいずれも「体験型ストア」や「インバウンド対応型出店」「外資系・K-ビューティーの混合型商品構成」など事業コンセプトが類似しており、サムスングループにルーツを持つ両社による「いとこ対決」にも注目が集まる。

実際、最近リニューアルオープンした「CHICOR」AK弘大店では「グローバルラグジュアリーからK-ビューティーまでのキュレーション」を掲げ、K-ビューティーの取り扱い比率を60~70%にまで引き上げた。加えて、独占ブランドやポップアップ企画の導入で、外国人比率を全体売り上げの半分まで引き上げている。今後の新規出店候補に明洞を選んだのも、訪韓外国人の増加を意識した戦略だ。

これに対し、オリーブヤングは1999年の創業以来、26年にわたるノウハウを背景に、年間1億件以上に達する1500万人の購買ビッグデータ、都心型物流センター(MFC)、そしてインバウンド対応などを武器に、技術投資を通じた競争力強化に取り組んでいる。オリーブヤング関係者は「オムニチャネル戦略を成功させた代表的な事例として、店舗の大型化・ショールーム化を進めている。K-ビューティーのショーケース、ひいては中小ブランドの登竜門として、引き続き市場をリードしていく」と述べた。

(c)news1

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