韓国の人気グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所HYBE(ハイブ)が芸能プロダクション「SMエンターテインメント」の筆頭株主となり、経営権を巡って対立している。カカオと組んだイ・ソンス、タク・ヨンジュンSM共同代表の現経営陣、そしてSM前総括プロデューサーのイ・スマン氏とHYBE連合の争いという構図だ。SM社内の匿名SNSで実施された投票では現経営陣が圧倒的な支持を集めているが、社員たちのプライドは深く傷付いている。
HYBEは10日、SM創業者であり筆頭株主のイ・スマン氏が保有しているSM株の持ち分18.46%のうち14.8%を4228億ウォン(約440億円)で買収する契約を結び、SMの単独筆頭株主になったと明かした。これに先立つ7日、SMはカカオを引受先とする第三者割当増資と転換社債を発行し、カカオが9.05%を確保したと公示していた。買収規模は総額2171億5200万ウォン(約227億円)だ。
こうした事態を受け、SM社内の匿名SNSブラインド「SMラウンジ」で経営権紛争について社員の意思を問う投票があった。「イ・ソンス、タク・ヨンジュン+カカオ」と「イ・スマン+HYBE」の選択肢のどちらを選ぶか――。13日午後時点で222人が参加し、前者が190票(85.6%)後者が33票(14.9%)。SM社員は圧倒的に「イ・ソンス、タク・ヨンジュン共同代表とカカオ」を支持するという結果だった。
HYBEが筆頭株主となって以後、ブラインドには「SMに対するプライドがあったが、一瞬にして崩れた」「プロジェクトのたびに期待感を持って仕事をしたが、今は剥奪された感じだ」などとする書き込みも出てきた。イ・スマン氏の株式をHYBEが買収し、SMの筆頭株主になったことに対して否定的な意見が目立つ。
HYBEが筆頭株主になるニュースが伝わる直前、イ・ソンス、タク・ヨンジュン共同代表ら経営陣は決意文を出していた。そこにはこう書かれている。
「数多くのSMのアーティストが誇らしくK-POPを先導してきた。再びグローバルエンターテインメントを先導するファン、株主中心の会社への転換と跳躍を控えている。すべての役職員、アーティストと共に力を合わせてすべての敵対的M&Aに反対することを明らかにする」
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