
時間は金だと言われる。誰にとっても一日は24時間であり、富める者も貧しい者もこの原則から逃れることはできない。価値があり限られているからこそ、誰もがもう少し欲しいと願うが、一日を延ばしたり未来の時間を前借りしたりすることはできない。
原則として他人の時間を直接買うことはできないが、その使い方を自らの目的に沿って管理することは可能であり、それが雇用という仕組みである。雇用主は勤務時間や業務内容を定め、他者の時間を管理するが、人員が増えるほど全体を把握することは難しくなり、信頼に基づく委任が不可欠となる。
一方、時間を提供する労働者は人間である以上、雇用主の意図を完全に理解することは難しく、休息や生活のための賃金も必要となる。こうした前提のもと、最低賃金や週52時間労働制など、労働を守る制度が整備されてきた。
限られた時間を効率的に活用するため、人類は機械や技術を発展させてきた。蒸気機関やコンピューターが象徴するように、技術革新は産業の形を変えてきた。そして現在、人工知能(AI)が新たな変革の中心となり、労働生産性を大きく高め、時間の概念そのものにも変化をもたらしている。
AIを活用すれば、他人の時間に依存せずとも、自分の意図を正確に反映した作業を進めることが可能になる。生活コストや人間関係の負担を伴わない点でも、従来の労働とは異なる性質を持つ。
こうした流れの中で、弁護士を付けずに自ら訴訟を進める「一人訴訟」が増加している。韓国では少額民事事件において、双方が弁護士を選任する割合はごくわずかにとどまっており、費用負担や信頼の問題に加え、AI活用の拡大がこの傾向を後押ししている。判例検索や書面作成にAIを用いることは、すでに実務の現場で一般化しつつある。
しかし、AIに支えられた一人訴訟が必ずしも満足につながるとは限らない。実務の現場では、多くの依頼者が「自分は悪くない」と認めてほしい、つまり慰めや共感を求めているとされる。AIが生み出す言葉ではなく、人間による共感のある言葉が求められているのである。
一人で過ごす時間の気楽さは確かに存在するが、人と向き合い語り合う時間の価値もまた大きい。効率と合理性が極限まで追求される時代においてこそ、人にしかできない共感の重みが改めて問われている。【MONEYTODAY イ・ハクリョル社会部長】
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