「チャットGPT」の登場によって、AI(人工知能)の新たなパラダイムが開かれた。
韓国科学技術情報通信省は、超巨大AIを駆動するためのクラウドとコンピューティングインフラなどを整備するなどし、この世界で先頭に立つ計画を掲げる。
そこで課題となるのは、AI技術力や人材確保だ。
最近、同省は「AI日常化や産業高度化計画」発表を通じて今年約7129億ウォンの予算を投入。AI強国を目指す「10大核心プロジェクト」を薦めることを明らかにした。
独居老人AIケアロボットや小規模事業者向けのAIロボット・コールセンター、公共病院医療AIなどさまざまな計画があり、全国民による「AI日常化」が進みそうだ。
同省の計画は、国民レベルでのAI拡大に主眼を置く。だが一方で、チャットGPTのような生成AIに対する具体的な対策や法案が含まれていないという指摘が出ている。
同省の関係者は「生成AIに対する法案が出てきたわけではないが、現在クラウドとデータ、コンピューティングインフラ分野の整備に努めている。国産AI半導体を基盤に超高速・低電力データセンターを段階的に構築する『K-クラウド』プロジェクトも推進する」という展望を語っている。
韓国政府はこの数年間、AIに対する投資をしてきたが、国家的なAI技術力は依然として不足している。英技術政策研究所「オックスフォード・インサイト」によると、昨年、韓国のAI準備指数は76.76点で世界6位だ。前年(10位)に比べ4段階上がったが、米国(1位)、シンガポール(2位)、英国(3位)、フィンランド(4位)、カナダ(5位)には、まだ及ばない。特に技術部門では、韓国は上位10位圏国家の中で最も低い53.96点だった。これは12位のノルウェー(53.44)とほぼ同じ水準で、米国(81.67)とは30点差があった。
情報通信企画評価院(IITP)が2020年に発表した報告書にも似たような結果が出た。韓国のAI技術水準は、世界最高の米国(100点)に比べて約80.9点で、1.8年分に相当する技術格差があった。韓国は欧州(89.5点)、中国(85.8点)、日本(81.0点)にも遅れを取っている。超巨大AI特許出願も10.6%で、米国(34.5%)、中国(33.3%)、日本(11.3%)に及ばない。
科学技術情報通信省もこのような事実を認め、「韓国はAI技術成長の停滞、人材不足などの課題がある」とした。具体的には、国内外で活躍するキラーAIやユニコーン企業の不足、国民・企業のAI活用度が低いことなどを挙げた。
ただ、同省はこのような状況を克服し、2027年までにAI技術を米国比95%水準まで高めるとの目標を提示した。また、AI市場を従来の2兆6000億ウォン(2021年)から6兆6000億ウォンに拡大し、企業のAI導入率も14.7%から50%まで引き上げる計画だ。
ある大学教授は、「超巨大AI開発企業が円滑に研究できるような政策支援が必要だ。韓国企業が海外でも競争力を発揮できるよう、主務部署である科学技術情報通信省の役割が重要だ」と強調する。
(つづく)
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