2025 年 8月 8日 (金)
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AIデジタル教科書「AIDT」、わずか1学期で“教育資料”に格下げ…韓国・学校現場から実質撤退へ

2025年7月21日、ソウル・汝矣島の国会議事堂駅前で開かれた初・中等教育法改正案に反対する集会(c)news1

韓国国会は8月4日、本会議を開き、人工知能(AI)を活用したデジタル教科書「AIDT(AI Digital Textbook)」を「教科書」ではなく「教育資料」に格下げする内容を盛り込んだ初・中等教育法改正案を可決した。これにより、AIDTは学校での義務使用対象から外れ、事実上、教育現場からの撤退が避けられない状況となった。

改正案は、教科書の定義と範囲を法律で明文化し、「知能情報技術を活用した学習支援ソフトウェア」を教科書ではなく教育資料として分類する内容を柱としている。教科書は全学校での使用が義務付けられるが、教育資料は学校運営委員会の決定に基づき使用可否が自主的に決まる。

この法案は2024年12月26日に一度本会議を通過したものの、大統領権限代行を務めていたチェ・サンモク(崔相穆)経済副首相兼企画財政相(当時)が拒否権(再議要求権)を行使し、廃案となっていた。今回、再提出され再び本会議で採択された形だ。

AIDTは、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権時代に導入された教育政策で、AI機能を活用して生徒一人ひとりのレベルに合わせた個別学習を実現することを目的としていた。教育省はAIDTのインフラ整備やデバイス購入、教員研修のため、2024年に5300億ウォン超の予算を投入しており、2025年1学期からは小学3・4年(英語・数学)、中学1年・高校1年(英語・数学・情報)の一部生徒に導入されていた。

(c)news1

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