韓国で最近人気を集めているカメラアプリケーション「スノー」の「人工知能(AI)プロフィール」写真を使い、身分証が発給されたという事例が出てきて騒ぎになっている。実際に撮影した写真ではなくAIが生成した写真を身分証に使用しても良いかを巡り、利用者の間で論議が繰り広げられている。
主務省庁である行政安全省側は、AIプロフィール写真を証明用に使えるかどうかを検討するとしている。
ネイバー子会社スノーの「AIプロフィール」写真で住民登録証など身分証発給に成功したという利用者の事例が出ている。AIプロフィールサービスは利用者が自撮りの写真10~20枚を入力すればAIがスタジオで撮影したようなプロフィール写真を制作するサービスだ。3300ウォン(約360円)を払えば24時間以内に、6600ウォン(約720円)を払えば1時間以内に写真を受け取ることができる。
AIプロフィール写真は低価格で、口コミで人気を集めた。利用者が短期間で急増し、一部エラーが発生するほどだ。スノー側は「現在も利用者が多く、一部では処理可能な数量を超過して利用が難しい場合がある」と発表した。
利用者の間ではAIが制作した写真を身分を証明する用途に使えるかについて意見が分かれている。自分の実際の写真を利用するので問題がないという意見と、本人証明はできないという意見が出ている。
AIプロフィール利用者の20代会社員は「誰が見ても本人と似たように制作されたならば十分に使えると思う。写真もフォトショップを使って補正するではないか」と話した。一方、別の利用者は「ソーシャルメディアに載せるためなら問題ないが、パスポートや履歴書に使うのは問題だ」と話した。
行政安全省の住民登録証写真規格によると、写真は6カ月以内に撮影した上半身写真でなければならない。基本的には本人が実際に撮影した写真でなければならないということになっている。
現在はAIが補正した写真の使用可否を定めた規定がない。本人確認が難しい写真は使えないとなっているだけだ。AIが制作した写真の住民登録証使用可否を巡り意見が分かれる理由だ。同省はAIプロフィール写真を使用できるか検討するとしている。
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