2025 年 3月 31日 (月)
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AIが都市の頭脳に…スマートシティ統合革新が加速 [韓国記者コラム]

未来都市を設計するAI基盤スマートシティの概念イメージ(c)news1

人工知能(AI)の進化が、都市のあり方そのものを変えようとしている。

AIとデジタルツイン技術を活用した“学習する都市”=スマートシティが、世界各地で現実のものとなりつつある。都市のインフラや交通、エネルギー、生活サービスなどをAIがリアルタイムで分析・最適化する時代が到来している。

AI基盤のスマートシティとは、都市全体に設置されたセンサーやIoT機器が収集するデータをAIが即時に処理し、都市運営の効率を最大化するシステムだ。これにより、住民の生活の質向上や持続可能な都市運営が可能になる。

こうしたスマートシティの中枢を担うのが「デジタルツイン(Digital Twin)」だ。

現実空間の都市インフラを仮想空間に再現し、シミュレーションを通じて都市の最適運用を図るもので、各国の主要都市はこの技術の導入にしのぎを削っている。

代表的な成功事例はシンガポールだ。AIとデジタルツインに基づくスマート交通システムを導入し、リアルタイムで交通量を分析して信号を制御することで、都市の渋滞を約15%削減する成果を上げた。

米ロサンゼルスやスペイン・バルセロナもAI予測型の交通管理システムを導入し、交通混雑と大気汚染の緩和に寄与している。バルセロナでは、周囲の騒音や人の動きに応じて自動で明るさが変化する「インテリジェント街路灯」も話題で、年間の電力消費量を約30%削減したという。

日本ではトヨタ自動車が静岡県裾野市で「ウーブン・シティ(Woven City)」を推進している。自動運転、ロボティクス、水素エネルギーといった先端技術にAIとIoTを融合させた未来都市を構想しており、今年下半期から約2000人の入居が始まる予定だ。

サウジアラビアが進める巨大都市開発「ネオムシティ」では、韓国のIT大手ネイバーがデジタルツインプラットフォーム構築のパートナーに選ばれた。2023年に結ばれた1億ドル規模の契約に基づき、ネイバーは同国内5都市でデジタルツイン基盤を整備している。

韓国国内でも、AI基盤のスマートシティ構築は進んでいる。

世宗市は韓国電子通信研究院(ETRI)と連携し、デジタルツイン技術に基づいた「バーチャル世宗」を構築している。実際の都市と同じ仮想空間で都市問題の解決策をシミュレートし、最適な政策決定を目指している。

釜山では、エコデルタシティを拠点にAIスマートシティ開発を推進中だ。同市は「グローバルAIハブ都市」を目標に掲げ、スマート浄水場やロボットサービスなど40種以上の革新技術を試験導入して、未来都市モデルの実現を急いでいる。

都市が“生きた頭脳”を持つ時代。AIと人間の協働による次世代の都市像が、静かに、しかし確実に動き出している。【news1 キム・ミンソク記者】

(c)news1

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