2024 年 5月 16日 (木)
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AIが監視カメラ映像分析、異常行動を自動認識…韓国で「知能型監視カメラ」レベルアップ

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70代の単身女性、キムさんは最近、真夜中に胸をなで下ろすことがあった。「知能型監視カメラ」のおかげで、不審者の住居侵入を防げたからだ。この監視カメラは、初めて見る男性がキムさんの住む住宅のフェンスを乗り越えようとする姿を捉え、すぐ警備員に知らせたのだ。

韓国で最近、大都市での犯罪が相次ぐ中で、政府が知能型監視カメラのレベルアップに力を入れている。「知能型監視カメラ」は人工知能(AI)技術で監視カメラが撮った映像を分析し、異常行動を自動認識すると警備員に報告する。

韓国インターネット振興院(KISA)はこのほど、企業に提供する「知能型監視カメラ」の学習データを大幅に増やしたことを明らかにした。KISAが今月、科学技術情報通信省とともに「知能型監視カメラの性能試験・認証分類体系」を改編した結果だ。

政府は監視カメラが撮影した映像の中の行動パターンを「一般・安全」分野に細分化し、認証項目を六つ追加した。「一般項目」(10項目)は▽徘徊▽侵入▽遊技▽喧嘩▽放火▽マーケティング▽行方不明者▽転倒(新規)――などで構成されている。

また、新たに追加された「安全項目」(5つ)には▽無人店舗の安全▽ストーカー行為予防▽病院の安全▽ドローン火災感知▽認知症高齢者捜索――が入った。

知能型監視カメラの認証制が変わり、KISAが知能監視カメラの企業に提供する映像データも豊富になった。無人店舗事件やストーカー行為などの映像は、今回初めて提供される。

KISAは企業が監視カメラ認証評価を申請すると、俳優が状況別に演技した映像DB(データベース)を提供する。具体的には、監視カメラが「ストーカー行為の予防」に役立つかを評価するため、人が特定空間に不法侵入したり相手を偵察したりする映像(300個)を提供する。

政府が認証とは別に支援するデータセットも多くなった。KISAは▽車両不法行為(不法駐停車、中央線越えなど500個)▽海外環境(海外徘徊、侵入、遺棄など1500個)▽一般分野(徘徊、侵入、遺棄など5044個)▽安全分野(無人店舗の安全、ストーカー行為予防など3440個)――の映像を提供する。

情報技術(IT)業界は、今回の認証制改編で知能型監視カメラのレベルが高くなるかに注目している。これまで、AI基盤監視カメラは事前に学習する映像データを入手するのが難しく、分析時に正確性が落ちるという指摘があった。ストーカー行為、住居侵入など犯罪行為の映像を製作するのが簡単ではないためだ。

一部には、さらに細分化された映像データが必要だという声もある。行政安全省は、全国の各地方自治体が運営する監視カメラ53万台を2027年までにすべて知能型に変えることを目標としているからだ。現在、知能型監視カメラの割合は、24%(13万台)に過ぎない。

あるIT関係者は「相対的に条件の悪い道路沿いや住宅街、暗い路地などのように、実際の地方自治体の監視カメラ環境に類似したデータ、生活に密接したデータが着実に提供されなければならない」と話している。

今後、KISAは災難・安全管理基本法上の6大安全指数に合わせ、別の試験項目も追加して多様なデータを提供する予定だ。

KISA側は「新たに発生した事案に合わせる必要があり、認証項目に悩む。今後は感染症関連事項も試験事項に入れる予定だ」と話した。

政府は知能型監視カメラの中でAI基盤映像検索技術の高度化も推進している。これは、監視カメラに「コップを持っている男を探せ」と入力すれば、適合した映像を探してくれる機能だ。

KISAは世宗市とAIスタートアップ「トゥエルブラボ」が保有する「超巨大映像理解AIソリューション」のテキスト基盤映像検索技術と自動異常行為探知・アラーム技術を世宗市監視カメラ統合管制センターで実証する予定だ。

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