2024 年 7月 27日 (土)
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AIアンカーに続きAI記者…代替は可能か? (下)

  現場ルポ  

MBNのAI記者(左から)リナ、エルラ、ジノ、テビン(MBNサイトよりキャプチャー)©KOREA WAVE

さらに1年が過ぎた今年、進化したAIが記者として登場した。MBNは1月28日、自社ウェブサイトを通じて、韓国メディアで初めてAI記者リナ、エルラ、ジノ、テビンを公開した。

AI記者はAIディープヒューマン技術を通じて誕生し、チャットボット技術が適用されて、自己紹介などの質疑応答が可能だ。

MBNは「AI記者のうち、視聴者が自社を代表する記者を選んでほしい」というイベントを開き、18日、リナとテビンを最終的にAI記者に選抜した。

AI記者らは災害状況や深夜・夜明けの時間帯のニュースに投入される予定だ。

◇記者としてのアイデンティティ

MBNのキム・グニ記者は次のように解説する。

「これまで『AIキム・ジュハ』アンカーを活用してMBN『総合ニュース』のAIニュースコーナーを運営し、ニュース編成の空白時間帯にはYouTubeチャンネルを通じて『AIキム・ジュハ』アンカーのニュースを定期的に報道している。ただアンカー1人の構成ではコンテンツの多様化に限界がある。これにAI記者が加わることで、多彩なAIニュースコンテンツを提供しようという趣旨で進められた」

「AIキム・ジュハ」アンカーの登場当時、インターネットでは「実際のアンカーだと思っていた」「声のトーンまで全く同じ」「注意深く見ないと全くわからない」「AIと言わなければ区分もできなかった」「本当にちょっと鳥肌が立つ」「もう本当に世の中が変わった」「AIが人に代わる未来が怖い」「技術速度が思った以上に速い」など、さまざまな反応が掲載された。

AI記者はAIアンカーとは異なる。AIアンカーが実在の人物をそのまま再現することに焦点を合わせているとすれば、AI記者はMBN取材記者をモデルにするものの、名前や趣味、記者としての目標など仮想のアイデンティティを作り出そうとしている。

声もMBN取材記者らの音声データをもとに新たなものをつくり出した。技術的な面では、既存のAIアンカーより姿勢、構図などを多様化し、ニュース映像として算出される時間を短縮することに焦点を合わせた。

◇深夜・早朝の仕事が不要に

進化を続けているAIが、近い将来に記者に代わることができるだろうか?

AIがアンカー、記者、アナウンサー、気象キャスター、リポーターなど多様な職業を持つことはできるが、完全に代わる可能性は低い。

YTNプラスは昨年1月から、AIディープラーニングなどの技術を基にした「AIアナウンサー」研究を進めている。「AIピョン・サンウク」アンカーの生放送デビューを機に、自然なモーション開発など、AIアナウンサーの品質高度化研究とYTNデジタルニュース制作商用化サービスを整える予定だ。

「AIピョン・サンウク」アンカーの試験運営を担当したユン・ヒョンスク報道局編集CPは「YTNは現在、『AIビョン・サンウク』アンカーを紹介したあと、次の新たな活用プロジェクトを研究している。AIアンカーを持続的に放送に活用するため、関係する報道倫理の確立とディープフェイクといった誤用防止などを先立たせる必要があると判断し、慎重に進めている」と伝えた。

AI記者が人間を代替する可能性については「AI記者が人に完全に代わることはできないと思う。ただ補助的な形態やコラボの形態で活用することはできる」とみている。

さらに次のような見解も披露した。

「海外では自動記事生産や記事素材収集などにAI技術が活発に活用されている。韓国でもAI技術が記者の生産性を助ける形で定着すれば、記者たちは本来の取材と深層記事の作成にもっと多くの時間と努力をかけることができ、良質のジャーナリズムを実現するのに役立つのではないか」

MBNのキム記者も「プラットフォームの側面からニュースコンテンツを伝達する方式が多様になるのであって、現場取材、インタビュー、記事作成などは依然として記者の役割だ。まだ技術的に補完が必要だが、今後は災害や緊急事案が発生した場合、放送関係者が深夜まで待機したり、早朝に出勤したりしなくても放送コンテンツの制作が可能になる。補完的な性格のシステムだ」と見通している。

©NEWSIS

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