
韓国の国家人工知能戦略委員会は12日、人工知能(AI)の拡大が労働・所得・福祉体系にもたらす構造的変化に対応するための「AI基本社会」政策方向を議論した。
委員会は同日午後、ソウルで「AI基本社会セミナー」を開催し、AI技術の普及が労働市場、所得分配、社会安全網に及ぼす影響を点検し、政策的対応策を模索したと明らかにした。
発表を担当したカン・ナムフン韓神大学名誉教授は、AIによる大転換は単なる技術革新ではなく、労働構造と所得分配方式を再編する構造的転換だと診断した。
AIの拡散により雇用の不安定性が拡大し、所得・資産格差が一層深刻化する可能性があると指摘。さらに、肉体労働だけでなく知的労働まで代替範囲が広がる中で、従来の「労働を前提とした選別的福祉モデル」は限界に直面していると説明した。
また、AIはデータや知識、社会的インフラといった国民共有の資産を基盤に発展する技術である点を踏まえ、これに見合う基本社会制度の導入が必要だとの見解を示した。
続く総合討論では、AI拡散が雇用・福祉・税制・財政政策全般に及ぼす影響を総合的に考慮した政策方向の設定と、中長期的な制度設計の必要性が議論された。出席者らは、AIによる富の集中や社会的格差拡大の可能性に対応するため、社会安全網の機能強化が不可欠との認識で一致した。
委員会は、今回のセミナーで提示された議論を基に専門家や市民社会の意見を収集し、関係省庁とともに「AI基本社会推進計画」を策定する。
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