
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が再び大統領執務室を青瓦台に戻す方針を打ち出したことにより、青瓦台周辺と龍山の大統領室周辺の商売人たちの反応は大きく分かれている。
青瓦台に近い鍾路一帯の自営業者たちは、この再移転を歓迎している。青瓦台から200メートルほどの場所で韓定食店を営むキム・グァンジェさん(63)は「青瓦台が龍山に移転した直後は、観光客で売り上げが一時的に6倍に増えたが、半年後にはすぐに落ち込んだ。青瓦台が戻ってきた方が安定的に営業できる」と語った。
別の飲食店を運営するキム・ヨンジャさん(67)も「観光客よりも、毎日来る職員たちのほうが売り上げの核だ」と話す。実際、青瓦台移転後は120席あった席数を40席に減らさざるを得ないほど売り上げが減少したという。
一方、龍山の大統領室周辺の商売人たちは不安を隠せない。生鮮料理店を10年運営してきたイ・ソヌさん(68)は「ムン・ジェイン(文在寅)政権時には国防省職員が定期的に来てくれる程度だったが、大統領室が龍山に来てからは売り上げが2倍に伸びた。でも昨年の非常事態宣言後、売り上げが半分に減った。大統領府が青瓦台に戻ると、さらに厳しくなるだろう」と懸念を示した。
また、感謝の意を示しながらも現実的な問題を挙げる声もある。カムジャタン専門店の経営者は「ユン・ソンニョル(尹錫悦)氏が去ってから売り上げが60%減った。イ・ジェミョン大統領就任後は職員たちが外食を控えているのか、客足が遠のいた」と述べた。
ただ一部の商売人は「食堂の利用は元々少なかった」と述べ、移転による影響は限定的との見方もある。内部に複数の社員食堂が設置されたため、外部の店を訪れる頻度が減ったとされる。
市民の観覧が可能だった青瓦台は、2025年8月1日から公開が中断され、同年9月から12月の間にイ・ジェミョン大統領の執務室が青瓦台に戻る。これはユン政権が2022年5月に執務室を龍山へ移転してから約3年ぶりの再移転となる。
この再移転を巡っては、地域経済や治安への影響、観光と日常生活の両立といった多面的な議論が続いており、単なる「移転」以上の社会的意味を持つ動きとなっている。
(c)news1

