
取り締まり区間だけ速度を落とし、その後すぐにスピードを上げるという「取り締まり逃れ運転」。韓国で今後、これが難しくなりそうだ。警察が、走行中でも違反車両を摘発できる「覆面パトロールカー」を実務に投入し、ソウル市内の自動車専用道路での取り締まりを強化しているためだ。
警察はこのほど、覆面パトカーを実戦配備した。この車両は搭載された取り締まり装置により、走行中でもスピード違反の取り締まりが可能になる。固定式カメラだけを意識して速度を落とし、その後再びスピードを出すという運転者の「抜け道」を防ぐことができる。
この覆面パトカーは2016年にソウル警察庁で導入されていたが、今回初めて本格的に実務に投入された。外見は一般車と変わらないが、違反を摘発すると警光灯とサイレンが作動し、追跡に入る仕組みだ。ただ、現在、取り締まり機器を搭載した車両は2台のみ。
この取り締まり機器はソウル市自治警察委員会の予算支援を受けて搭載されたもので、走行中だけでなく停車中でも安全地帯などで測定が可能だ。通常は2人1組で運用するが、基本設定次第では1人でも操作できる。
この機器はレーダーによって前方車両の速度を測定し、スピード違反を自動で検出する。助手席側に設置されたモニターには、制限速度を超えた車両が通過すると警告音とともに赤い枠が表示される。
このレーダーは、パトカーが走行する車線および左側1車線、計2車線を同時に取り締まることができ、相対速度を利用して速度を算出。速度の測定精度は約95%、最大で時速250kmまで取り締まりが可能だ。
また、車両前面の高性能カメラがナンバープレートを読み取り、GPSによって取り締まり情報をリアルタイムで保存・映像室に送信。車両ごとに数十枚の写真が撮影され、そのうち最もスピードの出ている瞬間の写真1枚が警察に送られる。
走行中の映像もすべて保存されるため、手動での無謀運転や割り込み、指定車線違反などの取り締まりにも対応可能だ。
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