
「最も手軽に行ける国は日本だ。費用も安いし、食べ物も豊富だ。年に2~3回は必ず行く」。これは日本を何度も訪れている韓国人観光客の言葉だ。
昨年、882万人の韓国人が日本を訪れ、9兆ウォン規模の消費を記録した。これは中国(698万人)、台湾(604万人)を大きく上回る数値であり、対照的に日本から韓国を訪れた観光客は322万人にとどまった。こうした日韓間の「旅行赤字」は今も続いている。
12日、記者がソウル、京畿、慶北などで、観光客や近く海外旅行を予定している市民31人を対象に調査した結果、68%(21人)が「行きたい国」として日本を挙げた。過去3年以内に日本を訪れた人は87%(27人)に上った。
日本旅行を選ぶ理由としては、手頃な旅行費用、便利な交通手段、親切な文化が主に挙げられた。日本のアニメやJ-POP、ゲームといったコンテンツに惹かれるという声も多かった。
特にコスパ(費用対効果)が評価されている。韓国国内旅行の費用が高騰していることから、済州島や釜山よりも大阪や福岡を選ぶ傾向が強まっているという。「そのお金で日本行った方がまし」という言い回しが流行語になるほどだ。
オーバーツーリズム対策として日本政府が宿泊税導入や観光名所の入場料引き上げを進めているものの、日本旅行への関心は依然高い。旅行アプリ「ヨギオッテ」のアンケートによると、97.8%が「今年も日本に行きたい」と回答した。
12日、大阪市の夢洲駅周辺には外国人観光客の往来が絶えなかった。多くが韓国人旅行客だったという。
韓国の旅行会社関係者は「最近、関西・北海道・福岡などへの団体旅行の問い合わせが前年同期比で30~40%増えている」と話す。即時予約型の個人旅行(FIT)や突発的な旅行まで含めれば、実際の数はさらに多いと見られる。
大阪・なんばや京都・下京区など観光地では韓国語案内板や韓国語対応スタッフを常駐させるなど、韓国人観光客への対応が強化されている。
一方で、観光業界では「日本旅行ばかりに集中してしまえば、韓国国内の旅行業者は収益を得にくくなる」と懸念も出ている。旅行プラットフォーム関係者は「旅行赤字を解消するためには、クルーズや地域観光連携など多様な商品開発が必要だ」と指摘した。
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