
「面白くない都市」と揶揄されてきた韓国・大田(テジョン)が、プロスポーツチームの好成績と観光マーケティング効果により、近年まれに見る活気を取り戻している。大田市はこの勢いを都市ブランド強化に活用しようとしている。ただ、一部からは「一過性のブームに依存すべきではない」とする声も上がっている。
大田市と観光関連機関の14日の発表によると、プロ野球チーム「ハンファ・イーグルス」は今月11日、ソウルの高尺スカイドームであったキウム・ヒーローズ戦で8対0の完封勝利を収め、実に33年ぶりとなる12連勝を達成。翌日の試合では連勝が止まったが、ホーム・アウェイを問わず15試合連続でチケットが完売するなど、熱狂的なファンの支持を集めている。
プロサッカーチーム「大田ハナシチズン」も創設以来初となる単独首位を走っており、スポーツ熱は頂点を迎えている。
このスポーツ人気に加え、市が進めている都市マーケティング戦略も功を奏し、観光客の流入が急増している。宿泊予約プラットフォーム「ヤノルジャ」「インターパーク」「トリプル」などのデータによると、5月のゴールデンウィーク期間(1~6日)における大田の宿泊予約は前年比190%増で、全国最多の伸び率を記録した。
パン屋巡りやグルメツアーの後、SNSで話題となったホテルでの宿泊までセットになった“都市型観光モデル”が新たな集客資源として注目されている。
大田市は、今が都市ブランド強化の絶好機と見て、観光とプロモーションの戦略に本腰を入れる計画だ。市のマスコット「クムドリ」を前面に押し出した滞在型観光商品やオリジナル企画商品の展開にもスピードを上げている。
ただ、マーケティング専門家は「野球やサッカーといった一過性の人気に便乗するよりも、“科学都市”としての本来の姿にフォーカスすべきだ。そうすることで、長期的に面白くない都市というイメージから脱却できる」と指摘する。
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