
韓国では、寿命の延びによって高齢期が長くなる一方、職場での職業安定性が低下する。そんな中で、現在の職を退いた後に新たな仕事を探そうとする、いわゆる「人生二毛作」を希望する会社員が10人中9人を超えることが明らかになった。
求人求職プラットフォーム「サラミン(Saramin)」が会社員965人を対象に「人生二毛作の意向」について調査した結果、91.4%が「意向がある」と答えた。年齢別では、50代以上(93.1%)、40代(91.4%)、30代(88.4%)、20代(84.8%)の順で、年齢が高いほど退職後の再就職への意欲がやや高かったが、比較的どの年代においても人生二毛作への関心が広く見られた。
人生二毛作を目指す理由として最も多かったのは「安定した収入が引き続き必要だから」(55.2%、複数回答)だった。続いて「定年なしで働きたい時まで働くため」(45.6%)、「老後に備えて」(37.3%)、「やりたいことをするため」(24.3%)、「現在の職務では定年が早そうだから」(17.9%)、「現在の職務はAIに代替される可能性が高いから」(6.5%)などの順だった。
人生二毛作で最もやりたい分野は「起業および自営業」(21.7%)が1位。僅差で「製造、溶接、大工、運転などブルーカラー職」(20.4%)が続いた。そのほかには「営業、財務などのホワイトカラー職」(17.8%)、「弁護士、労務士、行政書士などの専門職」(8.8%)などが挙げられた。ブルーカラー職を希望すると答えた回答者(180人)のうち、具体的に望む職務は「一般的な製造・生産職」(38.9%、複数回答)が最も多く、次いで「機械装置操作」(26.7%)、「車両・特殊車両の運転」(21.1%)、「電気」(20.6%)、「単純労務」(16.1%)、「整備」(15.6%)、「木工」(13.9%)、「壁紙貼り」(12.8%)、「溶接」(9.4%)などが続いた。
新たな仕事を始めると予想する年齢層は「60代」(42.2%)が最も多く、次いで「50代」(28.5%)、「40代」(16.4%)、「30代」(6.5%)、「70代以上」(5.4%)、「20代」(1%)の順で、60代以上が約半数を占めた。新しい仕事をする際に望む手取り月収は平均402万ウォンだった。
サラミンは、会社員が実際に人生二毛作を準備しているかについても調査した。その結果、人生二毛作の意向がある会社員のうち46.6%が現在「準備している」と答えた。50代では半数以上(51.6%)が準備中であり、40代(43%)、30代(40.6%)、20代(35.7%)も少なくなかった。
人生二毛作のために準備していることとしては、「関連資格の取得準備」(49.9%、複数回答)が最も多かった。そのほかには「関連教育課程の受講」(28.5%)、「関心のある職務での実務経験を積む」(27.7%)、「専門技術の習得」(27%)、「元手の貯蓄」(19.2%)などが挙げられた。
新しい仕事を選ぶ基準としては「定年なく一生できる仕事」(56%、複数回答)が最も多く、次いで「適性に合い、興味が持てる仕事」(40.4%)、「余裕がありプライベートの時間が確保できる仕事」(34.2%)、「人間関係の疲労が少ない仕事」(24.5%)、「収入が多い仕事」(17.2%)、「AIや自動化に代替されにくい仕事」(11.6%)などが続いた。
サラミン関係者は「世代を問わず、定年なしで一生働きながら付加価値を生み出す第2の職業を求める会社員が多い。若者だけでなく中高年層も、自身の経験や適性、興味をしっかり把握・分析し、長く働ける職を見つけることが人生二毛作成功の近道だ」と助言した。
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