
AIドローン、ウェアラブルロボット、電動自転車、水上パトロール艇――ソウルの中心・汝矣島(ヨイド)で最先端技術を活用した立体的な「K-スマート巡回」が始まった。市民の体感治安を高める試みとして、6月末までの試験運用が注目を集めている。
ソウル警察庁は11日、汝矣島漢江公園一帯でドローンを活用した巡回デモンストレーションを実施した。AI物体認識と自動追跡機能を搭載したドローンは、不審者を発見するとその映像をリアルタイムで監視車両に送信。現場の警官が無線で即座に対応できる仕組みだ。
ある模擬状況では、無人の敷物周辺をうろつく男性をドローンが追跡。男性が逃走しようとすると、AIトラッキングでその位置を即座に特定し、周囲の警官が動員される――このような“空からの監視”は、犯罪予防や市民救助において強力なツールとなる見通しだ。

加えて、地上ではウェアラブルロボット「WIM(ウィム)」や電動自転車、水上では巡視艇を導入した。歩行困難なエリアや交通の不便な場所でも機動性を確保する「3次元パトロール」が大きな特長だ。
特に注目されたのは、警察業務への初導入となるウェアラブルロボット「WIM」だ。重量わずか1.6kgで、長時間歩行を支援する設計となっており、約2万歩に及ぶ徒歩巡回を効率化する。
また、電動自転車は車両が進入困難な区域で活躍。スムーズな移動が可能で、巡回の効率を高めることができる。
水上では、漢江警察隊が中型巡視艇8隻、小型艇2隻、水上バイク2台を投入し、1日4回の定期巡回を実施。犯罪や事故の早期発見・対応を目指す。
ソウル警察庁は「K-スマート巡回の試験運用は、都市型ハイテク治安システムの第一歩。市民がより安心して過ごせる汝矣島づくりに貢献したい」と意欲を示した。
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