2025 年 5月 13日 (火)
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「粛清説」浮上の金正恩総書記の最側近、“完全復権”確認…党バッジ再着用

右胸に党バッジを着用するチョ・ヨンウォン書記=労働新聞(c)KOREA WAVE

「粛清説」が流れていた北朝鮮の朝鮮労働党組織書記のチョ・ヨンウォン(趙甬元)氏が、再びキム・ジョンウン(金正恩)総書記の傍らで公式の場に登場し、党のバッジを着用している姿が確認された。約50日間の“自粛期間”を経て、政治的地位を完全に回復したとみられる。

党機関紙・労働新聞は10日、キム総書記がロシアの戦勝記念日(5月9日)の80周年に合わせ、娘とともに平壌の在ロシア大使館を訪問したと報じた。

この場にチョ・ヨンウォン氏は、パク・ジョンチョン(朴正天)書記、チェ・ソニ(崔善姫)外相、ノ・グァンチョル(努光哲)国防相らと並んで出席した。

特に注目されたのは、チョ・ヨンウォン氏が右胸に「党バッジ」を再び着用していた点だ。このバッジは、朝鮮労働党中央委員会の幹部にのみ許される権威の象徴であり、その装着は事実上の「復権」を意味する。

チョ・ヨンウォン氏は先月27日、地方工業製品の品評会に単独で出席した様子が労働新聞に掲載された。だが、その際は他の幹部と異なり、党バッジを着けていなかったことから、何らかの懲戒処分を受け、職務が停止されていると推測されていた。

韓国の国家情報院も先月30日、国会報告でチョ・ヨンウォン氏が約50日間の「謹慎処分」を受けていたと見られると明らかにしている。

今回、チョ・ヨンウォン氏が党バッジを再び着けてキム総書記の側で笑顔を見せたり拍手したりするなどの姿が確認されたことで、その処分が完全に解除され、職務にも復帰したことが裏付けられた。

また、謹慎中に代行を務めていたとされるリ・ヒヨン(李煕用)書記よりも先に公式行事に姿を見せたことからも、復権が確実視されている。

韓国統一省の関係者も「ロシア大使館訪問という公式行事を通じて、チョ・ヨンウォン氏の地位が完全に回復したことが確認された」と述べた。

チョ・ヨンウォン氏が処分を受けた具体的な理由は明らかにされていないが、党内の規律を統括する組織書記という役職の性格上、1月の党拡大会議で多数の地方幹部が不正行為で処罰された件について、事前に管理できなかった責任を問われた可能性が指摘されている。

(c)news1

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